高齢者に優しい外構とは?【96人調査で多かった安全対策】

【更新日】2026.04.23

高齢者に優しい外構とは?【96人調査で多かった安全対策】

高齢者に優しい外構と聞くと、大がかりなバリアフリー工事を思い浮かべるかもしれませんが、まず大切なのは毎日の出入りで危険になりやすい場所を減らすことです。

玄関まわりの段差、夜の暗さ、滑りやすい舗装、狭い通路や駐車場は、今は気にならなくても年齢を重ねると負担になりやすい部分です。家族の送迎や介助まで考えると、外構で整えておきたいポイントは意外と多くあります。

そこでこの記事では、高齢者に優しい外構とは何かを96人調査の結果とあわせて整理します。あわせて、優先したい安全対策や、将来を見据えて考えたいポイントもわかるようにまとめます。

  • 【調査期間】2024年2月
  • 【調査方法】クラウドサービスを利用したインターネット調査
  • 【対象者】新築で外構工事をした人
  • 【対象者の年代】20代・30代・40代・50代・60代・70代
  • 【サンプル数】96
外構専門家 菅間勇
- この記事の執筆者 菅間勇 -
埼玉県生まれ。外構エクステリア業界20年以上(現在も現役)。2級建築士・2級建築施工管理技士。戸建て住宅の外構、庭づくり、植栽を中心に、現場経験をもとに情報を発信しています。 ≫信頼できる情報発信に向けての取り組み

1. 高齢者に優しい外構は安全に出入りしやすい外まわり

高齢者に優しい外構は、転びにくく動きやすい外まわりを整えることです。

玄関まわりの段差や夜の暗さ、雨の日の滑りやすさは、年齢を重ねるほど負担になりやすくなります。外構で危険を減らしておくと、本人だけでなく家族の不安も軽くできます。いま元気でも、将来の出入りや送迎を考えると早めに見ておきたい部分です。

高齢者向けの外構は、介護が必要になってから考えるものと思われがちです。けれど実際には、つまずきやすさや歩きにくさはもっと手前から表れます。安全に出入りできる状態を先につくっておくほうが、暮らしはずっと落ち着きます。


2. 【96人調査】多かった安全対策は手すり・照明・段差対策

高齢者に優しい外構で多かった安全対策アンケート

96人調査では、高齢者への配慮を取り入れた人が大半でした。

96人中87人が「はい」で、割合では90.6%でした。具体策では、手すりの設置が73%で最多です。次いでスロープと足元照明が各32%、広い階段やアプローチと玄関アプローチの段差解消が各24%と続きました。

はいいいえ
87人(90.6%)9人(9.4%)
順位高齢者に優しい外構設計人数(%)
1位手すりの設置64人(73%)
2位スロープの設置28人(32%)
2位足元を照らす照明の設置28人(32%)
4位幅が広い階段や玄関アプローチ21人(24%)
4位玄関アプローチの段差をなくす21人(24%)
6位乗り降りのしやすい広い駐車場20人(22%)
7位屋根のある駐車場16人(18%)
8位滑りにくい舗装材15人(17%)
9位開け閉めのしやすい引き戸門扉13人(14%)
10位段差が分かりやすい階段デザイン6人(6%)
11位掃き出し窓と庭の段差なくす工夫5人(5%)

※複数回答可

大がかりな工事をしないと高齢者向け外構にはならないと感じるかもしれません。ですが、上位に入ったのは日々の出入りで効く基本的な工夫ばかりです。手すり・照明・段差対策から考えるだけでも、外構の安全性はかなり変わります。


3. まず優先したいのは手すり・段差・照明

高齢者に優しい外構で最初に見たいのは、手すり・段差・照明です。

この3つは、毎日の出入りで直接負担や不安につながる部分です。転倒を防ぎやすく、変化も実感しやすいので優先度が高くなります。調査結果でも上位に集まっており、考え方はかなり共通しています。


3-1. 手すりは転倒防止の基本になる

手すりは、転倒防止の基本になる工夫です。

階段や玄関まわりは、一歩の高さがわずかでも体の負担が出やすい場所です。支える場所があるだけで、上り下りの安心感は大きく変わります。年齢を重ねた本人だけでなく、親が来たときの不安を減らす意味でも効果があります。

まだ元気だから手すりは早いと思う人もいるでしょう。けれど、必要になってから慌てて付けるより、危ない場所へ先に備えるほうが自然です。支える場所を用意することは、高齢者向け外構の出発点になりやすいです。


高齢者に配慮した外構にした人
30代Mさん

てすりをつけたのが良かったと思います。階段をのぼりおりするときにすべったら危ないし、打ちどころが悪かったら死ぬ可能性もあるので、必ず手すりはつけようと考えていました。私の親はもう高齢なので、家にあそびにくることがありますが、てすりのおかげでおぼりおりしやすいようです。


高齢者に配慮した外構にした人
20代Nさん

3年前、祖父が自転車に乗っている最中、車道と歩道の段差で転んで、大腿骨を折った。肺炎になりかけて一時は危険な容体になったが、幸運にも一命を取り留めて退院した。だが、入院中の寝たきり生活で筋力が落ちていて、杖をつかないと歩けなくなっていたので、手すりの設置と玄関アプローチの段差をなくすリフォームを先にしておいて良かったと思った。


3-2. 段差を減らすと出入りしやすい

段差を減らすと、出入りのしやすさが大きく変わります。

玄関アプローチや階段は、ちょっとした高低差でもつまずきの原因になります。スロープや段差解消があると、一人での出入りもしやすくなります。将来、杖や車いすを使う場面が出ても動線を確保しやすくなります。

段差が少しあるくらいなら問題ないと思うかもしれません。ですが、高齢になると少しの上り下りでも負担になりやすいです。段差をなくすか緩めることは、毎日の安心につながりやすいです。


高齢者に配慮した外構にした人
40代Tさん

段差をなくしてスロープにしたことはとても良かったと思います。高齢者の転倒防止につながるし、心配することも少なくなりました。以前は高齢者一人で出入りすることにとても不安を感じていたので、それが軽減できただけでも心労の負担が少なくなりました。


高齢者に配慮した外構にした人
40代Mさん

ごくたまに高齢の両親が自宅に遊びに来る事があり、その都度段差の少ない移動に感動している。たまに実家に帰ると、両親がリフォームもしていない急な階段を苦労しつつ上り下りしているのを見ており、それを手伝いつつも将来を考え、階段等の段差が少ない設計にした事にある程度の安心感を得ている。


高齢者に配慮した外構にした人
50代Tさん

両親が年齢を経たことによるリフォームを行いました。基本的なところで階段がある時にはスロープをつけたり、家の中も同じように考えました。また階段には手すりをつけることによって安心安全を確保するなど、基本的なことを行っただけでも充分にプラスになったと思います。それほどの投資でもありませんので


3-3. 足元照明は夜の不安を減らす

足元照明は、夜の不安を減らすために効きやすいです。

段差や玄関前の変化は、昼に気にならなくても夜は見えにくくなります。足元が明るいだけで、つまずきや踏み外しを減らしやすくなります。防犯面でも役立つので、高齢者だけの対策にとどまりません。

照明は見た目をよくするためのものと思われやすいです。けれど、高齢者向け外構では安全設備としての意味がかなり大きくなります。夜に見える状態をつくることで、出入りの緊張はかなり軽くなります。


高齢者に配慮した外構にした人
40代Sさん

今は身体機能に問題ありませんが、躓いて転んで骨折でもしたら完治に時間がかかるでしょうし、危ないので家の周囲はできるだけ明るく、夜は自動的に点灯するように配慮しています。防犯の面でも安全だと思うので、設置してよかったと思います。


高齢者に配慮した外構にした人
20代Aさん

高齢者に限らず夜暗くてもつまづいたりせずに歩けるようになって良かった。特に階段や段差があるところは夜かなり危ないので照明をつけて良かったと思った。また1人で歩く不安を安心感に変えることができると思う。


4. 滑りにくい床と見やすい動線で転倒を減らす

転倒を減らすには、滑りにくい床と見やすい動線も大切です。

雨の日や朝露の残る時間は、平らに見える場所でも滑りやすくなります。砂利や凹凸の強い足元は、歩幅が小さくなったときに不安定になりやすいです。段差だけでなく、足を置く面そのものを整える視点が必要です。

手すりやスロープがあれば十分だと感じるかもしれません。ですが、足元が不安定なままだと安心して歩けません。床材と動線の整え方まで見ておくと、外構全体の安全性はぐっと上がります。


高齢者に配慮しなかった外構にした人
40代Sさん

エクステリアにかけるお金がなくて、適当に業者に頼んだので全然配慮されていないです。家の中はオールフラットと引き戸にして、いつ高齢の両親が住んでも大丈夫なように整えたのですが。業者には手入れしやすい普通のエクステリアをお願いしたので階段もあるし砂利で足も取られます。駐車場の屋根は単に濡れるのが嫌なのでつけましたが、動きが遅くなる高齢になったときに役に立ちそうなので結果オーライです。


高齢者に配慮しなかった外構にした人
50代Mさん

夫婦とも50才で、今までは配慮する必要がなかったのですが、これから年をとっていくことを考えると、手すりの設置や滑りにくい素材を使用した駐車場は必要となってくると思います。病気になったり、足腰が弱ってからでは遅いので。


5. 駐車場とアプローチは介助のしやすさにも関わる

高齢者向け外構では、駐車場とアプローチの広さも見逃せません。

本人が歩けるかどうかだけでなく、横に付き添えるか、車から落ち着いて降りられるかも大切です。送迎や介助が入る場面では、通路や駐車場に少し余裕があるだけで動きやすさが変わります。将来の負担を減らすなら、出入口まわりの幅は早めに見ておきたいです。


5-1. 広い駐車場は乗り降りしやすい

広い駐車場は、乗り降りのしやすさにつながります。

ドアをしっかり開けられると、体の向きを変えやすくなります。付き添う人が横に立てると、転びそうな場面でも支えやすくなります。車いすや歩行補助具を使う場面でも、余白があるほど落ち着いて動けます。

普段の使い方だけなら標準的な広さで十分と思うこともあります。けれど、介助が必要になると少しの余白が大きな差になります。車の横で動ける広さを見ておくと、後から困りにくいです。


高齢者に配慮した外構にした人
40代Mさん

スロープは車いすになると必須です。玄関口を広くとっておいたのも介護の時に役に立ちました。介護者が横に立てないと被介護者の前後につくことになり、介助がしにくく、体力がいります。玄関に物を置かずにすっきりさせられるようにしておくだけでも、介助はしやすく感じました。デイサービスを利用した後などでも、車の昇降スペースに屋根があるとバタバタせず、ゆったりと乗り降りができます。


5-2. 屋根があると雨の日も動きやすい

屋根のある駐車場は、雨の日の動きやすさを支えます。

濡れた床は滑りやすく、荷物や傘があると動作も増えます。屋根があるだけで、車から玄関までの移動が落ち着きやすくなります。送迎や通院の場面では、焦らず乗り降りできることが安心につながります。

屋根は快適設備のひとつと見られがちです。ですが、高齢者向け外構では安全面への影響も小さくありません。雨の日に急がなくて済むことが、転倒や焦りを減らしてくれます。


高齢者に配慮した外構にした人
40代Lさん

玄関前の階段を幅が広いものにし、手すりを設置したので高齢者の母も転倒する危険を減らすことができています。また、屋根のある駐車場にしているため、雨の日でもほとんど濡れずに車に乗ることが出来るため、通勤や送迎に便利です。


5-3. 広い通路は付き添いやすい

広い通路やアプローチは、付き添いやすさを高めます。

高齢者が一人で歩けても、横に人が立てないと支えにくい場面があります。幅に余裕があると、荷物を持ったときや介助が必要なときにも動きやすくなります。玄関前が狭すぎないだけで、日々の出入りはかなり楽になります。

通路の広さは見た目の印象だけで決めやすい部分です。けれど、実際に使うと横に立てるかどうかが効いてきます。付き添える幅を残すことは、将来の安心につながりやすいです。


6. 将来の介護も見据えて無理なく考える

将来取り入れたい高齢者向け外構アンケート

高齢者向け外構は、必要になる前に少し先まで見ると考えやすいです。

「いいえ」と答えた9人への調査では、将来やってみたいこととして手すりとスロープが各44%で1位でした。次いで滑りにくい舗装材と足元照明が各33%でした。今は不要でも、先を考えると必要性を感じる部分はかなり共通しています。

順位高齢者に優しい外構設計人数(%)
1位手すりの設置4人(44%)
1位スロープの設置4人(44%)
3位滑りにくい舗装材3人(33%)
3位足元を照らす照明の設置3人(33%)
5位屋根のある駐車場2人(22%)
5位玄関アプローチの段差をなくす2人(22%)
5位掃き出し窓と庭の段差なくす工夫2人(22%)
8位幅が広い階段や玄関アプローチ1人(11%)
8位乗り降りのしやすい広い駐車場1人(11%)
-位開け閉めのしやすい引き戸門扉0人(0%)
-位段差が分かりやすい階段デザイン0人(0%)

※複数回答可

必要になってから考えればよいと思う気持ちも自然です。けれど、年齢や状況が変わってからでは工事も判断も重くなりやすいです。いま全部やらなくても考えておくことが、結果としていちばん無理のない進め方になります。


高齢者に配慮しなかった外構にした人
50代Mさん

夫婦とも50才で、今までは配慮する必要がなかったのですが、これから年をとっていくことを考えると、手すりの設置や滑りにくい素材を使用した駐車場は必要となってくると思います。病気になったり、足腰が弱ってからでは遅いので。


高齢者に配慮しなかった外構にした人
30代Aさん

夫と小さな子どもと暮らす家で、まだこれからのイメージができていなかったので、特に配慮はしませんでした。また、お互いの両親も今は健康で歩行等には心配がありません。将来的にリフォームが必要になったときに考えていきたいと思います。


高齢者に配慮しなかった外構にした人
40代Dさん

中古住宅を購入しましたが、同居人に高齢者がいないこともあり、また資金に余裕もなかったので、自身が高齢になったときや、親との同居をするときなど、今後、対策が必要な時期が来たら、そのときに検討することにしました。


7. よくある質問5つ(FAQ)

Q1. 高齢者に優しい外構は何から優先するとよいですか?

まずは手すり、段差対策、足元照明の3つから考えると整理しやすいです。毎日の出入りで危険になりやすい場所に直結していて、効果も実感しやすいです。


Q2. 手すりだけでも効果はありますか?

あります。階段や玄関まわりに支える場所があるだけで、上り下りの不安はかなり減りやすくなります。


Q3. スロープと段差解消はどちらを優先すべきですか?

まずは日常で使う動線の段差を減らすことが先です。そのうえで、必要な場所にスロープを加えると動きやすさを整えやすくなります。


Q4. 滑りにくい舗装材はどこに使うと効果的ですか?

玄関前、アプローチ、駐車場まわりなど、雨の日に濡れやすく歩く機会の多い場所で効果を感じやすいです。


Q5. まだ元気なうちから高齢者向けの外構を考える意味はありますか?

あります。必要になってから直すより、危ない場所を早めに見ておくほうが工事も判断も軽くなりやすいです。


まとめ

高齢者に優しい外構は、特別な設備を増やすことより、毎日の出入りで危険になりやすい場所を減らすことから始まります。今回の96人調査でも、もっとも多かったのは手すりで、次にスロープや足元照明が続きました。

つまり優先したいのは、まず手すり、段差対策、照明、そして滑りにくい床や見やすい動線です。さらに、駐車場やアプローチの広さ、屋根の有無まで見ておくと、将来の送迎や介助にもつながりやすくなります。

高齢者向け外構は、必要になってから一気に整えるより、先に危ない場所を減らしておくことが大切です。いまの暮らしにも無理がなく、先の不安も少し軽くなる形で考えると、外構の役割はずっとはっきりしてきます。


クローバーガーデンの職人

高齢者向けの外構は、何かを足すことより危ない場所を減らす感覚で考えると整理しやすいです。手すりや照明のような基本の工夫でも、出入りの安心感はかなり変わります。

あとから必要になると分かっている部分ほど、少し早めに見ておくほうが落ち着きます。毎日使う外まわりだからこそ、将来まで含めて無理のない形にしておきたいです。


更新:2026年04月23日|公開:2024年03月02日

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当社クローバーガーデンは、埼玉県で外構・庭工事を手がける専門会社です。年間60件ほどの工事に携わり、地域のお客さまの住まいづくりをお手伝いしています

外構デザインから施工まで一貫して対応しており、門まわりや駐車場、庭まわりの工事はもちろん、庭木の植栽や芝張りまで幅広くご相談いただけます。

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