ロウバイは甘い香りの花が咲く庭木🌳【育て方や剪定のコツも解説します】

【更新日】2024.06.30.

庭を彩る庭木選びに、悩んでいる人は少なくありません。とくに、ロウバイのような個性的な木を選ぶには、その花の色や形、香りが果たして自分の庭に合うかどうか?...と悩むでしょう。庭の美しさを左右する大きな決断に、不安を感じている人も多いはずです。

しかし、その不安を解消する方法があります。ロウバイは、その甘い香りと鮮やかな花で、冬枯れの庭に活気を与えることができる庭木です。この記事では、ロウバイを庭木として選ぶべき5つの理由と、それを美しく保つための育て方や剪定方法を詳しく紹介します。

この情報を手に入れることで、庭木選びの不安は消え、ロウバイの魅力を存分に楽しむことができるでしょう。庭が一段と引き立つロウバイの木を植えることで、四季を通じてその美しさを堪能できますよ😊


執筆者ライターの外構専門家「菅間勇」
【この記事の執筆者】菅間 勇
埼玉県生まれで、外構エクステリア業界は20年以上(今も現役)。東京農業大学・大宮建設高等職業訓練校卒。高校からアルバイトで外構と庭の仕事をはじめる。子どもとチェスをこよなく愛す、3児の父親。【資格:2級建築士・2級建築施工管理技士】≫信頼できる情報発信に向けての取り組み

クローバーガーデン埼玉のロゴ

当社クローバーガーデンは、埼玉県で営業する「外構と庭工事の専門会社」です。年間60件ほどの工事を行い、今までたくさんのお客さまにご満足いただきました

わたしたちは、施工とデザインにおいて高い専門知識と技術を持ち、お客さまの理想とする家づくりをお手伝いしています。家の外まわりならすべて工事でき、庭木の植栽や芝張りまで幅広く対応できる業者です。


ロウバイってどんな木なの?


ここでのポイントは3つ
  • ロウバイってどんな木なの?
  • 名前の由来は?
  • 花言葉はなに?

ロウバイってどんな木なの?

ロウバイの木をまとめた画像

ロウバイとは中国原産の落葉低木樹で、狭い庭や鉢植えでも楽しめる人気花木のひとつです。

真冬の殺風景な時期に、やわらかい黄色い花と芳香で、庭を明るく華やかにしてくれます。

  • 分類:落葉低木
  • 学名:Chimonanthus praecox
  • 漢字:蝋梅、臘梅
  • 別名:カラウメ
  • 科名:ロウバイ科
  • 属名:キモナンサス属
  • 原産地:中国
  • 花言葉:慈愛

名前の由来は?

ふむふむ、なるほどね...

臘月(ろうげつ・陰暦の12月)ごろに花が咲き出し、梅に似た澄んだ香りを漂わせるため、「臘梅(ロウバイ)」と名付けられました。

あるいは、花弁が蜜蝋(みつろう)のような色と質感があることから、という説もあります。


花言葉はなに?

「慈愛」など良い意味があります。


【5つ】庭木やシンボルツリーにおすすめな理由

ここからは、庭工事歴20年以上の現役プロが、ロウバイの魅力をたっぷり解説していきます。


おすすめな理由5つ
  1. 【低木の庭木におすすめ】小さく育てることができる
  2. 【黄色い繊細な花】開花時期+花が咲かないときは?
  3. 【甘い香りがする】香水に使われるほどいい匂い
  4. 【実がなる-毒あり!】種まきに使える大きなタネがある
  5. 【手入れが楽】日本の気候風土によく合う庭木

ロウバイは低木で管理しやすい庭木です。

低く育てられるので、小さめのシンボルツリーを探している人におすすめです。


1.【低木の庭木におすすめ】小さく育てることができる

冬に黄金の花を咲かせるロウバイ

ここでのポイントは3つ
  • シンボルツリーに使える落葉低木樹
  • 樹木の特徴(スマートな樹形)
  • 切り枝や盆栽にも使われる

シンボルツリーに使える落葉低木樹

ロウバイはシンボルツリーとしておすすめの庭木です。

冬のさびしい時期に彩りと香りを与える貴重な樹木で、樹形が控えめな低木樹です。そこで剪定時は、不要枝をすべて切るのではなく多少残すことで、暴れた雰囲気が出てカッコ良く仕上がります。

  • 樹高:2~3m
  • 花色:黄
  • 開花期:12〜2月
  • 果実色:茶
  • 果実熟期:9月
  • 用途:シンボルツリー、庭木、添景樹

また、大きなシンボルツリーと一緒に庭へ植えると、上品な名脇役として活躍してくれます。


樹木の特徴(スマートな樹形)

真冬に花を咲かせるロウバイ

ロウバイは樹高2~3mほどの落葉低木樹。

幹は直立し枝はよく分枝する、樹形がスマートな庭木です。ただ、枝ぶりが直線的でさびしい印象があるものの、たくさんつける花がその印象をプラスに変えてくれます。

葉は先端がとがり長さ10cm程度、長い楕円形または卵形で葉柄があります。葉はやや薄く表面はざらつき、晩秋に黄色く色づいてから落葉します。


切り枝や盆栽にも使われる

室内のインテリアに飾ったロウバイ

ロウバイは切り枝を飾ったり、コンパクトな盆栽として楽しむ人も多いです。

切り枝は庭木を切ってもよし、冬になると園芸店でも出回ります。野趣あふれる枝ぶりをしているので、インテリアに飾ってもおしゃれです。

また盆栽にすると、いかにも和風の雰囲気を醸し出します。通販で盆栽を購入してもいいですが、種まきで1から育てるのも楽しいです。実生のコツは、あとで詳しく解説します。


2.【黄色い繊細な花】開花時期+花が咲かないときは?

冬に黄金の花を咲かせるロウバイ

ここでのポイントは3つ
  • 繊細な黄色の花を咲かせる
  • 花が咲かないときの対処法は?
  • 夏に花を咲かせる品種もある

繊細な黄色の花を咲かせる

黄色の花を咲かせるロウバイ

12〜2月のまだ花の少ない時期に、ロウ細工のような繊細な花が咲きます

ロウバイは2つの花が並んで咲く特徴があり、葉が出る前に枝の節から下向きに咲きます。花径2cm程度です。

花は透き通るような鮮やかな黄色で、中心部分は赤褐色になります。園芸品種のソシンロウバイなどは、花全体が黄色で赤褐色の部分が少なく、普通種より鑑賞価値が高いです。


花が咲かないときの対処法は?

ロウバイは芳香を漂わせる黄色い花を咲かせる

剪定で注意して欲しいのは、花芽をまちがって切ってしまうことです。

ロウバイは、今年伸びた新梢にできる側芽が花芽になります。それが冬に開花するので、花芽を見つけたらなるべく残しながら剪定してください。

また、植えたばかりのロウバイだと花が咲かない場合もあるので、気長に数年様子を見ましょう。それと、基本的な育て方を実践してみてください(あとでまとめて解説)。


夏に花を咲かせる品種もある

クロロウバイの花と葉

ロウバイといえば冬のイメージがありますが、初夏に花を咲かせる品種もあります

代表的な品種は、ナツロウバイ(白)とクロバナロウバイ(暗紅)です。アメリカ原産のクロバナロウバイは、同じロウバイと名前がつきますが、属が異なる品種です。開花期が初夏の5~6月で、茶褐色の花を咲かせます。

ハートリッジワインの花

最近では、「中国原産のナツロウバイ」と「北アメリカ原産のクロバナロウバイ」を交配させて作られた新しい品種があり、ハートリッジワインやホワイトドレスなどの人気種があります。



3.【甘い香りがする】香水に使われるほどいい匂い

ロウバイの香りに誘われて来た鳥

ロウバイの花は、冬のさびしい時期に梅のような香りを漂わせ、道歩く人々を楽しませてくれます

上品な強い匂いがする庭木で、ウメに似た香りをもつのが特徴です。香水にも使われるほど、いい香りがします。


梅の木の詳細はこちらです⏬

梅の木は花が美しく種類が豊富な庭木🌳【剪定-育て方のコツも解説します】


4大香木と呼んでもいい庭木

4大香木(ジンチョウゲ・クチナシ・キンモクセイ・ロウバイ)

3大香木と呼ばれる「早春のジンチョウゲ、初夏のクチナシ、秋のキンモクセイ」は香りのよい花木として有名です。

しかし3大香木には、冬の木が足りません...そこで冬のロウバイを足して、4大香木と呼んでもいいのかもしれません


香りの良い庭木はこちらです⏬

クチナシは香り良い花が咲く庭木🌳【育て方や剪定のコツも解説します】

ジンチョウゲは香り良い花が咲く庭木🌳【育て方や剪定のコツも解説します】

キンモクセイは香りの良い庭木🌳【植えてはいけない理由ってあるの?】


4.【実がなる-毒あり!】種まきに使える大きなタネがある

秋に実のなったロウバイ

実がなる時期は夏頃で、長い期間ずっと枝にあるのが特徴です(花が咲く時期もある)。

なりたては緑色をしています(上画像)が、熟してくると茶色に変色します(下画像)。偽果(ぎか)と呼ばれる実で、中には黒色の大きなタネが10個程度入っています(実生でふやせる)。

大きなタネができるロウバイ

種子には毒が含まれているので、食べることはできません。花のつぼみは漢方にも使われていて、解熱効果があるようです。


5.【手入れが楽】日本の気候風土によく合う庭木

かわいらしい花を咲かせるロウバイ

ロウバイは、手間のかからない初心者向けの庭木です(日本の気候に合う)。

生長速度がやや遅く、剪定作業も数年に一度でコンパクトに維持できます。日当たりと風通しの良い場所に植えれば、病害虫の心配もありません。

剪定は花が咲き終えた直後に行い、地際から出るひこばえや株内の不要枝を整理する程度です。


【剪定の仕方】いつが最適時期?+株立ち樹形にする方法


ここでのポイントは5つ
  • 最適な剪定時期はいつ?
  • 剪定の仕方-株立ち樹形にする方法
  • 花芽を切らないように注意しよう
  • 小さくコンパクトに維持する剪定とは?
  • 剪定だけしてくれる業者ってあるの?

最適な剪定時期はいつ?

剪定の基本は以下です。

  • 適期:3月
  • 仕立て方:自然樹形

剪定の仕方-株立ち樹形にする方法

ロウバイの剪定適期は、花が咲き終えた直後の3月です。

地際から枝を伸ばして、株立ち状の自然樹形になります。すぐ生えるひこばえ(根元から生えてくる若芽)を整理しながら、主枝3~4本を残して育てます(株立ち仕立て)。

生長が早いので、花つきのための剪定ではなく、樹形を整える剪定が必要です。


花芽を切らないように注意しよう

まだ蕾のロウバイ

ロウバイの花芽は、春から伸びた新梢に6~7月につくられ、冬に開花します。

夏以降の剪定は、花芽を切ることになるので控えましょう。若木のうちは、花がなかなか咲かなく心配になりますが、植えつけて5~8年たった頃から咲くようになります。


小さくコンパクトに維持する剪定とは?

地際から伸びる枝が込みすぎた場合は、古枝を根元から間引き、ひこばえや倒れた枝なども整理します。

徒長枝には花がつかないので、軽く切り戻すのがコツ!

また、ふところ内のからみ枝・込み枝・枯れ枝などの不要枝をしっかり切り取るのが、コンパクトに維持するポイントです。


【育て方】地植え-鉢植えや種まきのコツも解説


ここでのポイントは6つ
  • 知っておくべきロウバイの基本情報
  • 植付け・移植(植え替え)
  • 水やりのコツ
  • 肥料のじょうずなやり方
  • 増やし方(実生・つぎ木)
  • 病気・害虫の対策と薬剤

知っておくべきロウバイの基本情報

  • 植栽適地:東北南部以南
  • 成長速度:★★☆ 普通
  • 日照:★★★ 日なた
  • 土壌の質:砂壌土
  • 土壌の乾湿:★★☆ 普通
  • 根の深さ:★☆☆ 浅い
  • 耐寒性:★★★ 強い
  • 耐暑性:★★★ 強い
  • 耐陰性:★★☆ 普通

ロウバイは性質強健・栽培容易で育てやすい庭木です。栽培は戸外が原則。


植えつけ、移植(植え替え)

植えつけ適期は、厳寒期を除く11~3月です。導入は根巻き苗または鉢苗。

移植を嫌う樹木なので、場所選びはしっかり行いましょう。

日当たりと水はけ、通気性の良い場所に植えます。土壌の質はあまり選びません。

根周りよりも大きい穴を植付け期より前に掘り、元肥として完熟した有機質肥料、石灰をすき込み、よく耕してから植えつけます。高植えにするのがポイントで、植えつけ後は支柱を立てましょう。


水やりのコツ

ロウバイは乾燥を嫌う樹木なので、根は絶対に乾かさないように気をつけましょう。

夏の乾燥が続く場合は、株元をワラなどでマルチングして覆うといいでしょう。


肥料のじょうずなやり方

12~1月に寒肥として、油かすと化成肥料を施します。


増やし方(実生・つぎ木)

つぎ木か実生でふやします。


つぎ木のポイント

つぎ木のメリットは、親木と同じ性質を受け継ぐ樹木を作れることです。

つぎ木を成功させるポイントは、できるだけつぎ穂(ふやしたい樹木)と近い種類の台木(だいぎ)を使うことです。台木には丈夫なものを選びましょう。


つぎ木の方法

つぎ木の適期は2~3月です。

つぎ木の方法は、つぎ穂(5~6cmに切る)と台木(根のついたもの)の形成層を密着させ、つぎ木専用テープで固定します。形成層同士を隙間なく密着させるのがポイントで、木を切るナイフの切れ味が活着の良し悪しを決定します。

つぎ木後は半日陰に置き、水やりをしながら育てます。うまく活着したらテープを取り外し、つぎ穂の芽を1つ残し、その他の芽(台木とつぎ穂の両方)は切ってしまいます。支柱を立てて補助しておくと、活着部分が折れる心配がありません。


実生のポイント(おすすめ!)

実生(みしょう)とは、種子から苗木を育てることです。

ロウバイのタネはサイズが大きいので、種まきで増やすのは簡単!採取した果実を茶色くなるまで乾燥させ、殻ごと手でもみほぐして中の種子を取り出します。

種子は2月頃に鉢(赤玉土)などに播き、乾かさないように管理すると1~2カ月で発芽します。直射日光を避け、半日陰で管理しましょう。


病気・害虫の対策と薬剤

風通しと日当たりの良い場所に植えれば、病害虫はあまり発生しません。


【おすすめ3種類】通販で買えるロウバイの木


悩む女性

どんなロウバイの木を選んだらいいのか、まったくわからない...おすすめを教えてください!


それでは最後に、通販で買えるおすすめロウバイの苗木商品を紹介します!

値段相場は¥1,000~20,000ぐらい(大きさによる)です。小さい木は鉢植えに、大きい木はシンボルツリーとして地植えにしましょう。

また、普通種以外の種類は以下です。

  • ソシンロウバイ(素心):花が大きく香りが強い
  • マンゲツロウバイ(満月):花弁が丸みを帯びる
  • トウロウバイ:花が大きい
  • ナツロウバイ:初夏に花が咲く
  • クロバナロウバイ:初夏に花が咲く
  • アメリカロウバイ:香りがない
  • ハートリッジワイン:ワインレッド色の花が咲く
  • ホワイトドレス:黒ロウバイの珍しい白花品種

植木を植えた経験がある方なら自分で植えるもよし、初心者なら植木だけ購入して業者に依頼してもよし。業者に依頼したら、その後の手入れの仕方も、こっそり教えてもらいましょう。


1.ソシンロウバイ

価格:~¥15,000
樹高:~1.5m
おすすめ度:5.0★★★★★

ソシンロウバイは普通種より花が大きく、花の内側もすべて黄色なのが特徴です。

冬には見応えある花を、いっぱい咲かせてくれるでしょう。


2.マンゲツロウバイ

価格:~¥20,000
樹高:~1.5m
おすすめ度:4.0★★★★☆

マンゲツロウバイという品種で、花が大きく鮮やかな黄色をした人気品種です。

玄関前やアプローチ、庭などに植えるとおしゃれになりますよ!


3.クロバナロウバイ

価格:~¥15,000
樹高:~1.0m
おすすめ度:3.0★★★☆☆

クロバナロウバイという品種で、普通種のロウバイと違い4~5月に花を咲かせます。

黒味を帯びたワインレッド色の花が咲き、シックで雰囲気が良い演出をしてくれます。


まとめ【ロウバイは庭木におすすめ!】

この記事では、ロウバイの特徴や育て方(剪定・鉢植えなど)、庭木におすすめの品種も紹介しました。いかがだったでしょうか?

ロウバイは冬に花が咲く珍しい樹木で、甘い香りのするおすすめ庭木です。殺風景になりがちな冬に庭に、彩りを添えてくれる素晴らしい庭木ですよ。


ロウバイは低木樹なので、狭い庭にも植えられる庭木です。

小さく育てられるシンボルツリーが欲しいなら、ロウバイをぜひ植えてみてください!



すぐ下の関連ページで「おすすめの低木・香りが良い庭木・」を解説したページリンクを貼っておきます。

興味のある方はぜひご覧になってください😊


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以上、ロウバイは甘い香りの花が咲く庭木🌳【育て方や剪定のコツも解説します】…という話題でした。

更新:2024年06月30日|公開:2021年12月21日


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