梅の木は花が美しく種類が豊富な庭木🌳【剪定-育て方のコツも解説します】
【更新日】2024.06.30.
庭に梅の木を植えようかと、悩んでいるあなたへ。梅の木が庭にもたらす美しい花や実、そして和風の風情に心惹かれつつも、その植樹や管理に不安を感じることは少なくありません。実際、「梅の木は美しいけど、枯れやすいのでは?」といった疑問や不安が、頭をよぎることでしょう。
しかし、そんな不安を解消するために、この記事では梅の木の栽培のポイントと、その庭木としての多大なメリットを紹介。梅の木が持つ早春の華やかな花々、様々な品種の魅力、そしてそれを長く楽しむための剪定や育て方のコツまで、詳しく解説していきます。
読み進めることで、梅の木が庭木としてどんな魅力を持つのか明らかになります。そして、もう梅の木を庭木に選ぶかどうか、もう迷うことはなくなるでしょう。美しい梅の木をあなたの庭に迎え、四季を通じてその変化を楽しんでみませんか?😊
このページの内容
当社クローバーガーデンは、埼玉県で営業する「外構と庭工事の専門会社」です。年間60件ほどの工事を行い、今までたくさんのお客さまにご満足いただきました。
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梅ってどんな木なの?
- 梅ってどんな木なの?
- 花ウメと実ウメってなにが違うの?
- 花言葉はなに?
梅ってどんな木なの?
梅の木とは中国原産の落葉高木樹で、冬枯れの枝に花を咲かせる「早春を告げる花木」のことです。
全国各地に名所や名木があり、桜とともに日本人の心の花として親しまれています。
- 分類:落葉高木
- 学名:Prunus mume
- 漢字:梅
- 科名:バラ科
- 属名:サクラ属
- 原産地:中国
- 花言葉:忠実、気品、独立
歳寒三友のひとつ
歳寒三友(さんかんさんゆう)とは、中国の文人たちに好まれる画題です。
三友は「梅・竹・松」の3つを指し、昔から親しまれてきました。厳しい寒さにも耐える3つの植物という意味で、どれも縁起の良い樹木です。
花ウメと実ウメってなにが違うの?
かんたんにまとめると以下です。
- 【花ウメ】花を観賞するのが目的
- 【実ウメ】果実を食すのが目的
「花ウメ」の花色は、赤・白・ピンクとさまざま。枝が垂れる品種もあり、花と樹形の両方が楽しめます。
一方で「実ウメ」の果実は、梅干し・梅酒・ジャムなど様々な用途で利用。自家受粉しないので、2本以上一緒に植えるのがポイントです。
花言葉はなに?
「忠実」「気品」「独立」など良い意味があります。
【5つ】庭木やシンボルツリーにおすすめな理由
ここからは、庭工事歴20年以上の現役プロが、梅の木の魅力をたっぷり解説していきます。
- 【シンボルツリーにおすすめ】風情ある和風の庭木
- 【香りある花が咲く】開花時期+花が咲かないときは?
- 【実ウメあり】実がなるまでは?実がならない原因は?
- 【種類が豊富】花ウメは3系9性ある(簡単な見分け方)
- 【育てやすい庭木】強い剪定をしても枯れない!
梅の木は、見所がいっぱいあるのがメリット!
風情ある枝ぶりがおしゃれで、和風の庭には欠かせないシンボルツリーです。
1.【シンボルツリーにおすすめ】風情ある和風の庭木
- シンボルツリーに使える落葉高木樹
- 樹木の特徴(風情ある枝ぶり)
- 寿命はどのくらいか?
シンボルツリーに使える落葉高木樹
梅はシンボルツリーとしておすすめの庭木です。
真冬の2月に花を咲かせる、早春を代表する庭木で人気があります。しだれ性の樹形もあり、こちらは枝ぶりもかっこいいです。とくに古い木には、樹形の美しさと風格があります。
もし広い庭があって和風庭園を作りたいなら、「しだれ梅」と「花梅」をいっしょに植えるのも面白いですね。
- 樹高:5~10m
- 花色:白・ピンク・赤
- 開花期:2〜3月
- 果実色:黄
- 果実熟期:5〜6月
- 用途:シンボルツリー、庭木、添景樹、盆栽
樹木の特徴(風情ある枝ぶり)
梅の木は花色・花姿・香りと個性的で、冬枯れの庭を彩ります。
樹高5~10mほどの落葉高木樹で、枝は斜め上あるいは真上に伸び、枝が枝垂れる品種もあります。晩秋には美しく紅葉するのがメリットです。
葉は互生で卵形をしていて、5~8cmの長さ。縁には細かい鋸歯(ギザギザ)があり、先端はとがっています。
寿命はどのくらいか?
100年以上の寿命があります(ものすごく丈夫な樹木)。
あまりストレスのかからない場所で育て、毎年のしっかり管理すればこのぐらいでしょう。ただし果実を収穫する目的の実梅なら、寿命はもっと短いです。
2.【香りある花が咲く】開花時期+花が咲かないときは?
2〜3月のまだ花の少ない時期に、趣ある日本人好みの花が咲きます。
春の花の先駆けとして、寒中に気品と清楚をあわせ持つ香りを放ち、道ゆく人々も楽しませてくれるのがメリット。「万葉集」にも梅の描写が見られるほど、古来より日本人に愛されてきた庭木です。
花の特徴をまとめると以下。
- 【花色】白・赤・ピンク
- 【香りの良い花色】白花
- 【花の直径】2~3cmほど
- 【大きさ】小輪・中論・大輪
- 【咲き方】一重咲き・八重咲き
- 【開花時期】1~2月の早咲き・3月の遅咲き
梅の花は冬の空気の中で、とても上品な芳香を楽しませてくれます(ロウバイに似た匂い)。
ロウバイは甘い香りの花が咲く庭木🌳【育て方や剪定のコツも解説します】
花が咲かないときの対処法は?
剪定で注意して欲しいのは、花芽をまちがって切ってしまうことです。
梅の花は、今年伸びた枝の側芽が花芽になります。それが翌年の初春に開花するので、花芽を見つけたらなるべく残しながら剪定してください。
また、植えたばかりの梅の木だと花が咲かない場合もあるので、気長に数年様子を見ましょう。それと、基本的な育て方を実践してみてください(あとでまとめて解説)。
3.【実ウメあり】実がなるまでは?実がならない原因は?
- 果実を収穫できる品種もある
- 実の特徴(実がなるまで何年?)
- 実がならない原因と対策はなに?
果実を収穫できる品種もある
果実を収穫できる「実梅」は、梅干し・梅酒・ジャムなどさまざまな用途で食用できます。家庭栽培におすすめです。
梅干しの定番は「南高梅」、カリカリ食感の梅漬けに使う「琉峡小梅(りゅうきょう)」、ジュースがおいしい「露茜(つゆあかね)」、梅酒やジュースなどの飲料向きの「翠香(すいこう)」などがあります。
- 南高梅:高級梅干しの定番
- 琉峡小梅(りゅうきょう):カリカリ食感の梅漬けに使う
- 露茜(つゆあかね):うめジュースがおいしい
- 翠香(すいこう):梅酒やジュースなどの飲料向き
- 豊後:梅干しや梅酒に適す
- 白加賀:梅酒に適す
- 八郎:梅干しに適す
- 花香実:梅干しに適す
実の特徴(実がなるまで何年?)
実ウメ品種を植えると、6月ごろに収穫できます。
果実は球形で表面に細かい毛が密生し、直径は2~3cmほどです。重さが10g未満を小梅、10~25gを中梅、25g以上を大梅と分けられます。
また、実がなるまでの目安は以下です。
- 【種から育てたら】5年前後
- 【接ぎ木したら】3年前後
「桃栗三年柿八年」と言いますが、梅はだいたい中間ぐらいですね。
実がならない原因と対策はなに?
原因と対策は以下です。
- 【原因】自家受粉しない(1本だけだと実がならない)
- 【対策】2品種以上を近くに植える
梅の木は自家受粉しないので、果実を収穫したいなら、2品種以上を琨植する必要があります。
また自然受粉(風や昆虫に頼る)よりも、人工受粉の方が結実しやすいです。なぜなら開花は寒い時期なので、まだ虫があまり活動していないからです。
4.【種類が豊富】花ウメは3系9性ある(簡単な見分け方)
梅の木には300種類をこえる園芸品種があり、とくに花梅は品種が豊富です。
「野梅系」は原種に近い系統、「豊後系」はウメとアンズの中間の性質を持つ系統、「紅梅系」は枝の断面が紅色の系統、「杏系」はアンズとの雑種系統の4つがあります。
野梅系の「思いのまま」は最近人気があり、赤と白の花を1本の木で咲き分ける八重咲きの珍しい品種です。
花ウメは3系9性ある(簡単な見分け方)
ウメの品種は花ウメと実ウメに大別でき、現在300種類以上の園芸品種があります。花ウメは3系9性に分けられますが、この分類には諸説あってよくわかりません...
ここでは3系統に分けて、代表的な品種を10種類ずつ紹介していきます。
- 野梅(やばい)系:野梅性、難波性、紅筆性、青軸性
- 紅梅(こうばい)系:紅梅性、緋梅性、唐梅性
- 豊後(ぶんご)系:豊後性、杏性
野梅系10品種
原種に近い系統で、香りの良い小さい花を咲かせます。花ウメの過半数が野梅系です。
- 冬至梅
- 紅冬至:ピンク花で中輪一重咲き
- 曙
- 八重寒紅:ピンク花で中輪八重咲き
- 思いの儘(まま):八重咲きで、赤と白の花を1本の木で咲き分ける
- 一重野梅
- 県驚(けんきょう)
- 都錦
- 初雁
- 見知辺(みちしるべ):大輪一重で遅咲き
紅梅系10品種
枝の断面が紅色の系統で、花色は紅色や緋色です。
- 大盃(おおさかずき):赤花で大輪一重咲き
- 緋の司:赤花で中輪八重咲き
- 内裏
- 紅筆
- 紅鶴
- 紅千鳥:蝶弁を交える
- 緋梅
- 緋梅(ひばい)
- 五節の舞(ごせちのまい)
- 鴛鴦(えんおう)
豊後系10品種
ウメとアンズの中間の性質を持つ系統で、大きな花を咲かせます。
- 開運
- 越後獅子
- 黒田
- 白牡丹(しろぼたん)
- 楊貴妃:ピンク花で中輪八重咲き
- 未開紅
- 江南所無(こうなんしょむ)
- 勞謙(ろうけん)
- 豊後(ぶんご)
- 緋の袴(ひのはかま)
5.【育てやすい庭木】強い剪定をしても枯れない!
庭木を植えたことのない初心者でも、梅の木は育てやすいです。
なぜなら、強い選定にも耐えられる丈夫な木なので、下手に切っても枯れる心配が少ないからです。
放任して自然樹形で育てるのがコツで、樹高をある程度抑えながら小さく維持しましょう。鉢植えや盆栽でも楽しめます。
【剪定の仕方】いつが最適時期?梅切らぬ馬鹿とは?
- 最適な剪定時期はいつ?
- 剪定は適宜やろう!
- 梅切らぬ馬鹿とは?梅は剪定に強い!
- 剪定だけしてくれる業者ってあるの?
最適な剪定時期はいつ?
剪定の基本は以下です。
- 適期:12~1月、花後の4月、夏ごろ
- 仕立て方:自然樹形
剪定は適宜やろう!
一般的に盃状形の自然樹形で育てます。
剪定適期は「花後・5月・夏期・冬期」ですが、必要に応じて行いましょう。
季節ごとの剪定
内側に向かって伸びる徒長枝に花芽はつかないので、早めに切り戻して、中・短枝を多く出させるのが、花を多く咲かせるコツ!
花が終わった直後、樹形を乱す徒長枝や込み枝、立ち枝などを間引きます。
5月は芽かきと芽摘みを行います。太い枝から出る胴ぶき芽を基部から手でかき取ります。また、太くて強く伸びそうな芽の先を軽く摘取ると、再び萌芽してくるので、1芽を残して摘取ります。
こうすると、一定の大きさや樹形を保つことができるでしょう。
また、冬期剪定は花芽を残しながら、短枝の枝先を切りつめるのがポイントです。
梅切らぬ馬鹿とは?梅は剪定に強い!
「桜切るバカ、梅切らぬバカ」とよく言われます。
これは、桜は切り口から腐りやすいので、なるべく剪定は避けます。しかし梅は切り口の回復が早いので、かなり太い枝を切っても大丈夫で、強い剪定にも耐えられるということです。
【育て方のポイント】鉢植えのコツや害虫対策も解説
- 知っておくべき梅の基本情報
- 植付け・移植(植え替え)
- 水やりのコツ
- 肥料のじょうずなやり方
- 増やし方(つぎ木)
- 病気・害虫の対策と薬剤
知っておくべき梅の基本情報
- 植栽適地:北海道を除く日本全国
- 生長スピード:★★★ 速い
- 日照:★★★ 日なた
- 土壌の質:全般
- 土壌の乾湿:★☆☆ 乾燥
- 根の深さ:★★★ 深い
- 耐寒性:★★★ 強い
- 耐陰性:★☆☆ 弱い
花梅としての栽培には、日当たりがよく排水がよい場所に植えましょう。根は強く、比較的育てやすいです。
実梅の場合は、果樹として栽培しましょう。
植えつけ、移植(植え替え)
12~3月(厳寒期を除く)が植え付けの適期。日当たりと水はけのよい場所を好み、日陰と湿った場所は嫌います。
枝を大きく広げる性質があるので、枝が十分張れるスペースを周囲にとっておきましょう。窮屈になった場合は、3月上旬までに植え替えを終わらせます。
植え穴は大きめに掘り、堆肥をよく土と混ぜ、高めに植えるのがコツです。苗木の地上部は半分ほど切り詰め、新梢を吹かせるようにします。
水やりのコツ
庭植えは夏期に晴天が続き、ひどく乾燥している場合を除き必要ありません。
鉢植えは鉢土の表面が乾いたらたっぷり与え、冬期は控えめにしましょう。
肥料のじょうずなやり方
12~1月に寒肥として、油かすや鶏糞。6月下旬にはお礼肥として、緩効性肥料を施します。
窒素分が多い肥料だと、枝の生長がより促進され、花つきが悪くなるので控えましょう。
増やし方(つぎ木)
つぎ木でふやします。
つぎ木のポイント
つぎ木のメリットは、親木と同じ性質を受け継ぐ樹木を作れることです。
適期は2~3月で、台木(だいぎ)は野梅系の梅を使うのがオススメです。
つぎ木の方法は、つぎ穂(ふやしたい品種)と台木(だいぎ)の形成層を密着させ、つぎ木専用テープで固定します。形成層同士を隙間なく密着させるのがポイントで、木を切るナイフの切れ味が活着の良し悪しを決定します。
つぎ木後は半日陰に置き、水やりをしながら育てます。うまく活着したらテープを取り外し、つぎ穂の芽を1つ残し、その他の芽(台木とつぎ穂の両方)は切ってしまいます。支柱を立てて補助しておくと、活着部分が折れる心配がありません。
病気・害虫の対策と薬剤
梅の木には、病気や害虫が多く見られます。被害を最小限にするには、日当たりと風通しの良い場所に植えましょう。
カイガラムシ・アブラムシ・ケムシ類・コスカシバの幼虫などの害虫、黒星病(くろぼしびょう)などの病気が出やすいです。
【おすすめ3種類】通販で買える梅の木
どんな梅の木を選んだらいいのか、まったくわからない...おすすめを教えてください!
それでは最後に、通販で買えるおすすめ梅の苗木商品を紹介します!
値段相場は¥1,000~20,000ぐらい(大きさによる)です。小さい木は鉢植えに、大きい木はシンボルツリーとして地植えにしましょう。
植木を植えた経験がある方なら自分で植えるもよし、初心者なら植木だけ購入して業者に依頼してもよし。業者に依頼したら、その後の手入れの仕方も、こっそり教えてもらいましょう。
1.実梅
価格:~¥10,000
樹高:~1.0m
おすすめ度:5.0★★★★★
梅干しや梅酒好きな人なら、実梅を植えてみましょう!
南高梅や豊後などがおすすめで、1mぐらいの苗木が販売されています。上手に育てれば、実がなるまで2~3年ぐらいです。
2.枝垂れ梅
価格:~¥10,000
樹高:~0.7m
おすすめ度:4.0★★★★☆
垂れ下がった枝が美しい「枝垂れ梅」です。狭い庭に植栽するのがおすすめで、盆栽にしても楽しめます。
3.梅の盆栽 思いのまま
価格:~¥10,000
おすすめ度:3.0★★★☆☆
野梅系の品種「思いのまま」で、中輪八重咲きの美しい花を咲かせます。1本の樹木で赤と白の2色で咲き分け、一輪の中に紅と白の絞り咲きになることもあります。
父の日・誕生日・新築祝いなどに、プレゼントとして送ると喜ばれますよ。
まとめ【梅は庭木におすすめ!】
この記事では、梅の木の特徴や育て方(剪定・鉢植えなど)、庭木におすすめの品種も紹介しました。いかがだったでしょうか?
梅の木は和風の風情がおしゃれな木で、和風庭園をつくりたいなら外せない庭木です。花梅と実梅があるので、実を収穫したいなら実梅を植えましょう。
梅の木は盆栽でも楽しめます。
コケに合わせた枝ぶりがかっこいいので、室内でじっくり楽しみたい人におすすめです。
すぐ下の関連ページで「シンボルツリーランキング・おすすめの落葉樹・ロウバイ」を解説したページリンクを貼っておきます。
興味のある方はぜひご覧になってください😊
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以上、梅の木は花が美しく種類が豊富な庭木🌳【剪定-育て方のコツも解説します】…という話題でした。
更新:2024年06月30日|公開:2022年01月06日