クチナシは香り良い花が咲く庭木🌳【育て方や剪定のコツも解説します】

【更新日】2024.07.01.

「クチナシって本当に庭にふさわしいのかな?」こんな疑問を持つ人が多いです。「どんな花が咲くの?」「その香りは?」、あなたはそんな不安を抱えていませんか?

しかし、心配ありません!この記事では、クチナシがどうして庭木として最適なのか、その魅力と育て方を紹介します。白く美しい花からは甘い香りが漂い、訪れる人を魅了するのです。

最後まで読めば、クチナシを庭木に選ぶべきかどうかの迷いがなくなるでしょう。育て方や剪定のコツも押さえて、庭をもっと豊かに彩る一助となるはずです😊


執筆者ライターの外構専門家「菅間勇」
【この記事の執筆者】菅間 勇
埼玉県生まれで、外構エクステリア業界は20年以上(今も現役)。東京農業大学・大宮建設高等職業訓練校卒。高校からアルバイトで外構と庭の仕事をはじめる。子どもと筋トレをこよなく愛す3児の父。【資格:2級建築士2級建築施工管理技士≫信頼できる情報発信に向けての取り組み

クローバーガーデン埼玉のロゴ

当社クローバーガーデンは、埼玉県で営業する「外構と庭工事の専門会社」です。年間60件ほどの工事を行い、今までたくさんのお客さまにご満足いただきました

わたしたちは、施工とデザインにおいて高い専門知識と技術を持ち、お客さまの理想とする家づくりをお手伝いしています。家の外まわりならすべて工事でき、庭木の植栽や芝張りまで幅広く対応できる業者です。


クチナシってどんな木なの?


ここでのポイントは3つ
  • クチナシってどんな木なの?
  • 名前の由来は?
  • 花言葉はなに?

クチナシってどんな木なの?

クチナシをまとめた画像

クチナシとは東アジア原産の常緑低木樹で、梅雨期に芳香のある花を咲かせる人気花木のひとつです。

大輪で八重咲きの「オオクチナシ(ガーデニアとも呼ばれる)」、小輪で八重咲きの「ヒメクチナシ」、全体が小振りな「コクチナシ」など、種類は豊富で楽しめます。

  • 分類:常緑低木
  • 学名:Gardenia jasminoides
  • 漢字:梔子、口無
  • 別名:ガーデニア、センプク
  • 科名:アカネ科
  • 属名:クチナシ属
  • 原産地:台湾、中国、日本(関東以西)
  • 花言葉:幸福、優雅

名前の由来は?

クチナシの果実

「口無し(クチナシ)」という名前は、黄赤色の果実が熟しても決して口を開かないことからつきました。


将棋盤の脚はなぜクチナシをかたどっているのか?

将棋盤の足はクチナシの実の形

将棋盤や囲碁盤の足が「クチナシの実」をかたどっている理由は、第三者の口出しを戒める(口なし)という意味があるからです。

つまり対局中は2人だけの世界なので、「口を出しちゃいけない」ということ。見ている人が「こんな手がいいんじゃない?」「なんでそこの飛車を動かすの!」など思うのは勝手ですが、対局は静かに見守るのが礼儀だということです。


花言葉はなに?

「幸福」「優雅」など良い意味があります。


【5つ】庭木におすすめな理由

ここからは、庭工事歴20年以上の現役プロが、クチナシの魅力をたっぷり解説していきます。


おすすめな理由5つ
  1. 【低木の庭木におすすめ】シンボルツリーの名脇役
  2. 【白い花が咲く】開花時期+花が咲かないときは?
  3. 【甘い香りがする花】香水に使われるほどいい匂い
  4. 【実には効能がある】着色料としての使い方もある
  5. 【八重咲き品種もある】鉢植えで育てるのもおすすめ!

クチナシは低木で管理しやすい庭木です。

狭い庭でも邪魔にならずに植えられ、鉢植えで楽しむ人もたくさんいます。


1.【低木の庭木におすすめ】シンボルツリーの名脇役

低木のクチナシと白い花

ここでのポイントは3つ
  • 庭木に使える常緑低木樹
  • 艶のある葉っぱも美しい
  • 和風・洋風どちらの庭にも合う

庭木に使える常緑低木樹

クチナシの生垣・垣根の植栽例

クチナシはシンボルツリーとしても使えるおすすめの庭木です。

山野の雰囲気が出る樹木で、背の高いシンボルツリーと組み合わせると名脇役になります。生垣のように植えることもでき、グランドカバーとしても使えます。

  • 樹高:0.5~2m
  • 花色:白
  • 開花期:6〜7月
  • 果実色:黄
  • 果実熟期:10〜12月
  • 用途:庭木、生垣、鉢物、盆栽、生花材料

小型品種のコクチナシなどは、はうように伸びて高くならずにまとまるのが特徴。刈り込んで、ボーダーや花壇の縁取りに使うこともできます。


艶のある葉っぱも美しい

クチナシの艶のある緑の葉っぱ

白い花を引きださせる「葉っぱ」も鑑賞価値があり、濃い緑色が美しいです。

革質で光沢があり縁は滑らか、長さは5~10cmほどで先が尖っています。花が咲いていない時期も、葉っぱが楽しませてくれる庭木です。


和風・洋風どちらの庭にも合う

クチナシのかわいらしい白い花

クチナシは、あなたの家が和風でも洋風でも合わせられます。

和風の庭では昔から重宝されてきた庭木で、明るい花を咲かせることから洋風住宅にも植えられるようになりました


2.【白い花が咲く】開花時期+花が咲かないときは?

クチナシにやってきたアゲハ蝶

開花は梅雨時の6~7月で、アジサイとともに梅雨期を代表する花木です。

花の直径5~8cmで、花色は白のみ。普通種の一重咲き種は、6裂し平らに咲きます。八重咲きの品種は普通種より大型で、バラのような形をしています。

とくにガーデニアとも呼ばれる西洋種のオオヤエクチナシは、花が大きく樹高も普通種より高く、とても豪華な印象を与えます。わたしは普通種の可憐な姿のほうが好きですが、八重咲き種のバラのような姿もおしゃれでかっこいいです。


花が咲かないときの対処法は?

繊細な花が咲くクチナシ

剪定で注意して欲しいのは、花芽をまちがって切ってしまうことです。

クチナシは、今年伸びた枝の先にできる芽(頂芽)が花芽になります(夏と秋の2回)。それが翌年に開花するので、花芽を見つけたらなるべく残しながら剪定してください。

また、植えたばかりのクチナシだと花が咲かない場合もあるので、気長に数年様子を見ましょう。それと、基本的な育て方を実践してみてください(あとでまとめて解説)。


3.【甘い香りがする花】香水に使われるほどいい匂い

庭に植えた白い花を咲かせるクチナシ

クチナシは、強く甘い香りをもつ庭木の代表種です。

3大香木「早春のジンチョウゲ、初夏のクチナシ、秋のキンモクセイ」の中に数えられるほど、香りのよい花木として有名です。そこに冬のロウバイを足して、4大香木と呼んでもいいのかもしれません。

初夏の6~7月にかけて上品で甘い香りを漂わせ、外へ出かけるときにその匂いを嗅ぐと、テンションが上がって元気になりますよ!


香りの良い木のこちらです⏬

ジンチョウゲは香り良い花が咲く庭木🌳【育て方や剪定のコツも解説します】

ロウバイは甘い香りの花が咲く庭木🌳【育て方や剪定のコツも解説します】

キンモクセイは香りの良い庭木🌳【植えてはいけない理由ってあるの?】


香水が作られるほどいい匂い

クチナシの香水と花

クチナシの香りには、以下の効果があると言われています。

  • 保湿効果
  • 美肌になる効果
  • リラックス効果

クチナシの花から抽出される精油から、香水やアロマオイルをつくります。シャンプーや芳香剤にも使われている、いろんな効果がある花です。


4.【実には効能がある】着色料としての使い方もある

クチナシの葉っぱと果実

クチナシのオレンジ色の果実にはいろんな使い道があります。

10~12月に熟す果実は、長さ2~3cm、先端にがく片が残るかわいらしい形をしています。ただし一重咲き種のみ結実します。


色素の使い道が豊富

クチナシの葉っぱと果実

クチナシの実は、昔から薬用や染料として利用されてきました。これは黄色い色素「クロシン」で、カロテノイドの仲間です。

具体的には、おせち料理の定番「栗きんとんや栗の甘露煮」、たくあんなどの着色に使われます。そのほか和菓子・ゼリー・クッキーなどにも。

また平安時代からは、着物の染料としても使われてきました(現代ではハンカチなどの小物が多い)。抽出方法は、収穫した果実を乾燥させ、それを鍋に入れて煮出すだけです。

中国ではクチナシの果実を「山梔子(さんしし)」と呼び、古くから消炎や鎮静の漢方薬として使われます。


5.【八重咲き品種もある】鉢植えで育てるのもおすすめ!

一重咲きのクチナシの花

クチナシには豊富な園芸品種があります

普通種は一重咲きで可憐な印象を持ち、代表的な八重咲き種のオオヤエクチナシは豪華な印象を持ちます。そのほか、コクチナシなどの小型品種もあります。

一重咲き種の使い方は、庭や花壇に植え、グランドカバーや縁取りとして使いましょう。

八重咲きのクチナシはバラのような形

八重咲き種の使い方は、鉢植えとして植え、その豪華な姿を楽しみましょう。


クチナシを鉢植えした画像


クチナシは小さい樹木なので、鉢植えでも育てられます。

鉢植えするメリットは以下。

  • 【一年中葉が楽しめる】観葉植物のように飾れる
  • 【日陰でも育つ】明るい半日陰がおすすめ
  • 【大きくならない】軽いので移動が楽

いちばんのメリットは、常緑樹なので1年中緑の葉っぱが楽しめること。観葉植物のように室内に飾ると、おしゃれなインテリアになります。

また、新築祝いや開店祝いなど、お祝いごとにもプレゼントしやすい樹木です。小さくて邪魔にならないので、もらった人も喜ぶでしょう。


【剪定の仕方】いつが最適時期?+樹形を整える方法


ここでのポイントは5つ
  • 最適な剪定時期はいつ?
  • 花が終わったらすぐに!1日も早くやる!
  • 樹形を整える剪定方法とは?
  • 小さくコンパクトに維持する剪定とは?
  • 剪定だけしてくれる業者ってあるの?

最適な剪定時期はいつ?

剪定の基本は以下です。

  • 適期:7~9月
  • ポイント:花が咲き終わったらすぐ!
  • 仕立て方:自然樹形、生け垣

花が終わったらすぐに!1日も早くやる!

花芽分化期は7~9月で、新梢の先端にできます。

7月以降の剪定は注意して、樹形を乱す部分の枝のみを剪定するようにしましょう。時期が遅いと花芽を落とすことになり、翌年花が咲かなくなります。

もしこの時機を逃したらその年はそのままにして、翌年の花後に刈り込みます。


樹形を整える剪定方法とは?

自然樹形のクチナシ

クチナシは自然樹形に整えるのがおしゃれです。

あまり強い剪定をせず、伸びすぎた枝や立ち枝を付け根から切り戻し、込み枝を間引き程度にしましょう。刈り込んで球形仕立てやスタンド型仕立て、楕円形仕立てなどにすることもできます。

剪定は花後すぐに行いますが、樹高を低くしたい時も、この時期に任意の高さに刈り込むこと。刈り込み仕立の場合は、花後すぐに刈り込んで、枝数を増やします。


小さくコンパクトに維持する剪定とは?

クチナシを狭い庭や鉢植えにしたい場合は、なにより小型の品種を選ぶことが大事です。おすすめの種類は、コクチナシやヒメクチナシ。

剪定のポイントは、立ち上がる強い枝を、樹冠より少し深いところで切り戻します。そして、樹冠から飛び出した枝を、切り戻します。

そうすると、株の広がりを抑えられ、コンパクトに仕立てることが可能です。


【育て方のポイント】地植え-鉢植えや虫対策のコツも解説


ここでのポイントは6つ
  • 知っておくべきクチナシの基本情報
  • 植付け・移植(植え替え)
  • 水やりのコツ
  • 肥料のじょうずなやり方
  • 増やし方(実生・つぎ木・挿し木)
  • 病気・害虫の対策と薬剤

知っておくべきクチナシの基本情報

  • 植栽適地:関東地方以西
  • 成長速度:★★☆ 中間
  • 日照:★★☆ 半日陰
  • 土壌の質:壌土
  • 土壌の乾湿:★★☆ 中間
  • 根の深さ:★★☆ 中間
  • 耐寒性:★★★ 強い
  • 耐暑性:★★★ 強い
  • 耐陰性:★★☆ 中間

クチナシは半日陰でも育つ庭木ですが、日当たりが良い方が花つきが良いです。高めに植えつけて加湿を避けるのがコツです。

クチナシは寒さと乾燥に弱いので注意が必要です。乾燥対策としては、夏と冬には株元に腐葉土やワラを敷くマルチングが効果的です。また、寒さ対策としては、冬の寒風が防げる場所に置き、関東以北ではビニールハウスに入れて冬越しさせましょう。


植えつけ、移植(植え替え)

クチナシは暖地性植物なので、暖かくなった4月中旬~6月下旬が植えつけ適期です。もしくは真夏を除き9月頃植つけます。

鉢植えの場合は、通常4月頃に植え替えましょう。


水やりのコツ

庭植えは夏期に晴天が続き、ひどく乾燥している場合を除き必要ありません。

鉢植えは鉢土の表面が乾いたらたっぷり与え、冬期は控えめにしましょう。


肥料のじょうずなやり方

庭植え:2~3月に寒肥として鶏糞、骨粉などを施します。

鉢植え:春と秋に化成肥料、または骨粉などを施します。


増やし方(実生・つぎ木・挿し木)

挿し木でふやすのが手軽で簡単です。


挿し木のポイント

挿し木の適期は6~8月ごろです。

春に伸びた新梢から勢いのあるものを選び、葉を数枚残し10cmくらいの長さに切り挿し穂を作ります。切り口は斜めにし、水を入れたコップに数時間つけ水あげします。これは発根を促す目的があります。

植木鉢に鹿沼土か赤玉土を入れ、挿し穂を半分ぐらいの深さまでさします。たっぷり水やりをし、日当たりの良い場所で育てます。

クチナシは暖地性植物なので、冬の寒さと乾燥を嫌います。関東以北ではビニールハウスに入れて冬越しさせましょう。


病気・害虫の対策と薬剤

オオスカシバの幼虫、アブラムシ、カイガラムシのはっせいが見られます。


オオスカシバの幼虫が大敵!

オオスカシバの幼虫

オオスカシバの幼虫が6~8月に発生します。

クチナシの主要害虫オオスカシバの幼虫は、独特のしっぽを持ち体が大きく、一晩で葉やつぼみを食い尽くしてしまうほどです。

防除方法として、食害された葉や幼虫の糞を目安に探して捕殺します。褐色の幼虫もいますが、葉と同じ緑色の幼虫は見つけにくいので、注意して探してください。


【おすすめ3種類】通販で買えるクチナシの木


悩む女性

どんなクチナシの木を選んだらいいのか、まったくわからない...おすすめを教えてください!


それでは最後に、通販で買えるおすすめクチナシの苗木商品を紹介します!

値段相場は¥1,000~5,000ぐらい(大きさによる)です。小さい木は鉢植えに、大きい木はシンボルツリーとして地植えにしましょう。

また、普通種以外の種類は以下です。

  • コクチナシ:花径が3cmほどの八重咲き種
  • ヒメクチナシ:普通種より小さい八重咲き種
  • ヤエクチナシ:稀品種でほぼ入手不可能
  • オオヤエクチナシ:八重咲き種でガーデニアとも呼ばれる
  • フイリクチナシ:葉に淡黄白色の斑が入る品種

植木を植えた経験がある方なら自分で植えるもよし、初心者なら植木だけ購入して業者に依頼してもよし。業者に依頼したら、その後の手入れの仕方も、こっそり教えてもらいましょう。


1.クチナシ一重咲き

価格:~¥5,000
樹高:~50cm
おすすめ度:5.0★★★★★

一重咲きのクチナシで、昔から植えられてきた品種です。

八重咲きのような華やかさはありませんが、日本人好みの控え目で情緒ある雰囲気を持っています。玄関近くに植えておくと、出かけるときに、甘い香りが嗅げますよ!


2.クチナシ八重咲き

価格:~¥5,000
樹高:~50cm
おすすめ度:5.0★★★★★

八重咲きのクチナシで、普通種の一重咲きよりずっと豪華な花が咲きます。

バラのような形で華やかなので、洋風の庭に合わせるのがおすすめです。強い香りが楽しめます。


3.クチナシ斑入り

価格:~¥5,000
樹高:~50cm
おすすめ度:4.0★★★★☆

美しいグラデーションが特徴の斑入りクチナシで、明るい雰囲気の庭が作れます。鉢植えにもおすすめです。


まとめ【クチナシは庭木におすすめ!】

庭に植えたクチナシ

この記事では、クチナシの特徴や育て方(剪定・鉢植えなど)、庭木におすすめの品種も紹介しました。いかがだったでしょうか?

クチナシは低木で場所をとらないので、狭い庭にも植えれらる庭木です。庭木の中でもとくに香りが良く、ジンチョウゲや金木犀と比べられるほど良い匂いがします。


クチナシは白い花だけでなく、葉っぱも美しい庭木です。

半日陰にも植えられるので、鉢植えにして室内でも管理できますよ!



すぐ下の関連ページで「おすすめの低木・香りが良い庭木・」を解説したページリンクを貼っておきます。

興味のある方はぜひご覧になってください😊


このページを読んだ人はこちらもオススメ!


以上、クチナシは香り良い花が咲く庭木🌳【育て方や剪定のコツも解説します】…という話題でした。

更新:2024年07月01日|公開:2021年12月23日


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