アオダモを庭に植えてはいけない理由・デメリット6選😱【メリットも5つ解説】
【更新日】2024.04.11.
アオダモは、四季の移り変わりを身近に感じさせてくれるだけでなく、特有の雰囲気で空間を彩る庭木です。しかしその美しさの裏には、いくつかのデメリットが隠れています。たとえば、成長速度が遅いなど...
そこでこの記事では、庭に植える際のメリットとデメリットをバランス良く解説。
読み進めることで、なぜ庭に植えてはいけないかが分かり、庭木として植えたあとの美しい庭がイメージできるでしょう😊
それでは、ひとつずつ解説していきます。
この記事のライター(信頼性の担保)
菅間 勇 2級建築士・2級建築施工管理技士・甲種危険物取扱者
埼玉県生まれ。東京農業大学、大宮建設高等職業訓練校卒。高校からアルバイトで外構と庭の仕事をはじめ、現場経験は20年以上。
子どもとチェスをこよなく愛す、3児の父親。
当社クローバーガーデンは埼玉県の「外構と庭工事専門会社」です。
毎年60件以上の外構工事を行い、庭木の植栽も行っています。
1.【6選】アオダモを庭に植えてはいけない理由
以下に、アオダモを庭に植える際の主なデメリットを6つ挙げ、それぞれに対する対策を提案します。
1.成長速度が遅すぎる
アオダモのいちばんのデメリットは、成長速度が遅いことです。
すぐに背の高い樹木を望む場合、アオダモは最適な選択ではないかもしれません。これに、新しい庭を速く成熟させたいと考えている場合や、すぐにプライバシーの確保や風景の向上を図りたい場合に問題となります。
この問題を克服する方法は、すでに成長した背の高いアオダモを購入することです。
2.秋に葉が落ち掃除がめんどくさい
アオダモは落葉樹であり、秋にはその美しい葉を落とします。これは自然のサイクルの一部であり、多くの人にとっては季節の変化を楽しむ要素のひとつです。
しかし、落葉が多いと庭のメンテナンスが大変になり、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。定期的な清掃と落葉の管理が必要です。
3.下枝が少ないので寂しい
アオダモは、下部に枝が少ない庭木です。これは庭全体の見栄えが損なわれ、地面近くの植物生態系に影響を与える可能性があります。
下部の空間をうまく利用するためには、ボリュームのある下草(グランドカバー)を植えることがおすすめ。これにより庭の多様性が向上し、よりバランスの取れた美しい景観が実現します。
4.西日に弱い
アオダモは直射日光、とくに西日が強い場所に植えると、葉が焼けることがあります。夏場の西陽はものすごく強烈であり、その熱と光によって葉がダメージを受けるのがデメリット。
そのため、アオダモを植える際は、半日陰の環境が最適とされています。この条件下では、アオダモは健康的に成長し、その美しい緑の葉を存分に楽しめるでしょう。
半日陰であれば、直射日光によるストレスから木を守りつつ、光合成を行うのに十分な光を受けることができます。
5.暑さに弱い
アオダモは、暑さに弱い木でもあります。
とくに日本の夏は湿度も高く、温度が極めて高くなる日が多いため、アオダモにとって厳しい環境です。そのため、アオダモを植える際には、涼しい場所を選ぶことが重要です。
たとえば、建物の影になる場所や、風通しが良く、日中の熱が籠りにくい場所などが適しています。暑さに対する配慮を怠ると、アオダモは熱ストレスにより健康を害する可能性があり、その美しい姿を長く保つことが難しくなるでしょう。
6.値段が高い
アオダモは、庭木としては高価な部類に入ります。
なぜなら、アオダモの成長速度が遅いからです。成長が遅いということは、育成期間が長くなり、その分コストがかかるということになります。
また、アオダモは美しい木であり、需要が高い一方で供給が追いついていないことも、価格が高くなる要因のひとつです。したがって、庭にアオダモを植えたい場合は、そのコストを考慮に入れる必要があります。
アオダモを庭に植える際には、これらのデメリットを考慮し、適切な対策を講じることが大切です。
適切な準備と管理によって、アオダモの美しさと機能性を庭園で最大限に活かすことができます。
2.【5つ】アオダモの魅力と庭に植えるメリット
1.【人気シンボルツリー】雑木の雰囲気がおしゃれ!
- アオダモは人気シンボルツリー!
- 雑木の雰囲気がおしゃれな庭木
- アオダモとシマトネリコの違いは何?
アオダモは人気シンボルツリー!
アオダモはシンボルツリーとしておすすめの庭木です。
最近のガーデニング業界では、山の木を用いた雑木の庭が盛んとなっていて、アオダモが脚光を浴びるようになりまし。和風洋風、どちらの住宅にも合わせやすい庭木です。
- 【樹高】10~15m
- 【花色】白
- 【開花期】4~5月
- 【果実熟期】10月
- 【用途】シンボルツリー、庭木、景観樹
雑木の雰囲気がおしゃれな庭木
アオダモの魅力は、山の雰囲気を出す自然な樹形です。
まっすぐ伸びる幹と枝のラインが山の雰囲気を出し、雑木の主役として人気を集めています。植えた後がいちばん自然樹形が整っているので、剪定は伸びすぎた枝を軽く切るぐらいです。
アオダモとシマトネリコの違いは何?
同じトネリコ属にシマトネリコもあり、こちらもシンボルツリーとして大変人気があります。
違いをまとめると以下です。
アオダモ | シマトネリコ | |
---|---|---|
種類 | 落葉樹 | 常緑樹 |
耐寒性 | 強い | 弱い |
成長速度 | 遅い | 早い |
目隠し | 使えない | 使える |
どちらを選ぶかはあなたの好みですが、両方とも雑木風のシンボルツリーとして人気があります。
シマトネリコの詳細はこちらです⏬
シマトネリコ株立ちは人気シンボルツリー🌳【デメリットで後悔するって本当!?】
2.【株立ちなら成長速度が遅い】初心者でも育てやすい
アオダモのメリットは、成長速度が遅いことです(株立ちならもっとゆっくり)。
剪定は広い場所に植えれば、あまり必要ありません。狭い庭なら、邪魔になりそうな枝を早めに剪定する程度です。
シンボルツリー初心者でも、管理しやすい樹木のひとつと言えます。
3.【白い花が美しい】開花時期+花が咲かないときは?
アオダモの開花時期は、春の4~5月です。
煙るように咲くので風情があり、柔らかい印象を与えてくれます。遠目からだと、まるで樹冠に雪が降り積もったように見えるのが特徴です。
綿毛のようなやわらかい花で、すがすがしい山の風情を感じさせてくれます。
花が咲かないときの対策は?
剪定で注意して欲しいのは、花芽をまちがって切ってしまうことです。
アオダモの花芽は、今年伸びた枝(新梢)の先にできます。それが翌年に開花するので、花芽を見つけたらなるべく残しながら剪定してください。
また、植えたばかりのアオダモだと花が咲かない場合もあるので、気長に数年様子を見ましょう。それと、基本的な育て方を実践してみてください(あとでまとめて解説)。
アオダモはすごく珍しい植物
アオダモは非常に珍しい「雄性両全性異株性」の植物です。
これは、雄しべ2本のみを持つ雄花をつける雄性株と、雄しべ2本と雌しべ1本を持つ両性花をつける両性株が混在していることで、10種類程度の植物しか存在していないと言われています。
簡単にいうと「雄性花のみを付ける個体と両性花のみを付ける個体がある」ということです。植物の進化を考える上で、アオダモは貴重な植物サンプルと考えられています。
4.【幹肌の模様がおしゃれ】野球選手が使う最高級バット
- 幹肌の模様がおしゃれな樹木
- 野球選手が使う最高級バット⚾
- アオダモのバットが減っている理由とは?
幹肌の模様がおしゃれな樹木
アオダモの魅力のひとつに、美しい樹皮もあげられます。
下枝が無いアオダモは幹がよく鑑賞でき、灰白色のすべすべした樹皮に入る縞模様がとても美しいです。
また、アオダモは材が堅く粘りがあり、緻密な木目をしています。そのため、野球のバットに利用されるのが有名です。とくに北海道の「日高系と阿寒系から産出」するアオダモが、最高級品と言われています。
他にはテニスラケット、スキー板、床材、家具などに利用するようです。
野球選手が使う最高級バット⚾
バットの条件として、以下3つの特徴があげられます。
- 反発力が大きくて弾力性がある
- 強くで耐久力がある
- 軽量で振りやすい
以上の3つの条件を満たすアオダモは、プロ野球の発展とともにバットとして使われてきました。ちなみに、バットになるまでの年数は数十年で、木の直径は16cm以上必要だそうです。
しかし、1年間におよそ10万本以上の木製バット使用される中で、アオダモの占める割合は年々減少しています。他のバット用材はホワイトアッシュ・シュガーメイプルなどです。
アオダモのバットが減っている理由とは?
減っている理由は以下の2つです。
- 無計画な伐採
- エゾシカによる食害
「イチローのバットがなくなる日」という本の中で、その当時、野球選手だった「イチロー氏のバットがなくなる(枯渇する)」という現状を訴えていました。
そんな中、「アオダモ資源育成の会」というNPO法人は、北海道の自然に「バットの森」を造林する目的で、平成14年からアオダモの植林活動を行なっています。
また、年々数を増やしているエゾシカはアオダモを嗜好する傾向があり、その食害被害も多くなっています。対策として、防護柵を作る、チューブをかぶせる、個体数調整のため狩猟などが行われています。
【参考資料】≫アオダモ資源育成の会
5.【秋の紅葉が美しい】うまく紅葉しない人にアドバイス
アオダモを上手に育てれば、秋には美しい紅葉を見せてくれます。
紅葉する庭木の代表はイロハモミジで、ボリューム感ある紅葉を見せてくれます。ただしアオダモは枝ぶりが少ないので、紅葉を楽しむ庭木ならイロハモミジを選びましょう。
また、アオダモの葉は羽状複葉といい、長さ10~15cm程度。縁には鋸歯(ギザギザ)があります。
イロハモミジの詳細はこちらです⏬
イロハモミジはおすすめシンボルツリー🍁【デメリットになる特徴も解説】
うまく紅葉しない人にアドバイス3つ
アオダモを上手に紅葉させるポイントは、以下の3つです。
- 日当たりが良い場所
- 昼と夜の温度差が大きい場所
- しっかりした管理(剪定作業も)
やっぱり日当たりはいちばん大事です!1年を通して葉に日が当たる場所を選び、日陰になる場所には植えないでください(半日陰が最高)。
また、昼夜の温度差が必要なので、建物から離れた場所に植えると良いです。住宅地では車の排気ガスにも注意してください。
まとめ
この記事では、アオダモのメリットとデメリットを紹介しました。いかがだったでしょうか?
アオダモは成長速度が緩やかなので、手間のかからない初心者向きの庭木です。シンボルツリーとしてもすごく人気で、1本植えてあるだけでも存在感があります。
アオダモはゆっくり成長するのがメリットで、剪定の手間もあまりかかりません。
逆にいつまでも大きくならないのがデメリットなので、最初から背の高いアオダモを植えるのがいいでしょう。
すぐ下の関連ページで「植えてはいけないシリーズ・植えてはいけない庭木2つ」を解説したページリンクを貼っておきます。
興味のある方はぜひご覧になってください😊
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以上、アオダモを庭に植えてはいけない理由・デメリット6選😱【メリットも5つ解説】…という話題でした。
更新:2024年04月11日|公開:2024年04月11日
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