タイルの貼り方をプロが解説👷【駐車場の300角張り×DIYの参考にどうぞ!】
【更新日】2024.07.03.
自宅の駐車場を、DIYでタイル張りしたいと考えているあなたへ。タイルの貼り方ひとつを間違えると、結果がまったく異なる恐れがあります。そんな不安を抱えているあなたに、この記事が解決策を提供!
ここでは、プロのタイル職人がどのようにタイルを扱うか、その技術や秘訣を詳しく解説します。正確な手順と注意点を学べば、DIYでも怖くありません。プロの方法を理解することで、自信を持って作業に取り組めるようになります。
最後まで読むと、自分でDIYすべきか、それとも安心のプロの手に任せるべきか、判断がつくはずですよ😊
このページの内容
当社クローバーガーデンは、埼玉県で営業する「外構と庭工事の専門会社」です。年間60件ほどの工事を行い、今までたくさんのお客さまにご満足いただきました。
わたしたちは、施工とデザインにおいて高い専門知識と技術を持ち、お客さまの理想とする家づくりをお手伝いしています。家の外まわりならすべて工事でき、庭木の植栽や芝張りまで幅広く対応できる業者です。
【補足】タイルの貼り方にはいろんな施工方法がある
埼玉県富士見市の外構工事で、駐車場の床仕上げをタイルで施工しました。
ここでは下地作りから仕上がりまで、順を追って紹介していきます。今回はイタリア製のオシャレなタイルを使っていて、白と濃いグレーを混ぜて貼り付けました。
ひとつ補足があり、それは以下です。
タイルの貼り方にはいろんな施工方法があり、たったひとつの正解はない
もし正解があるとすれば、「お客さまが満足してくれること」です。なのでここで紹介する方法は、「長年施工してきた職人の経験からの最適解」ということになります。
もし自分でDIYしたいなら、いろいろ調べてからチェレンジしてください。
【1日目】床をタイル張りする下地づくり@駐車場 ⭐
タイル張りでいちばん重要なことは、下地を平らに作ることです。
バサという材料を使って、コテ一本でならしていきます。素人にはかなり難しい作業です...
1.まずはバサを作る
仕上がりからタイル張りぶんを引いた高さで、下地のコンクリートを打ちます。
そのコンクリートに上に、「バサ」という「砂+セメント+水」を加えて作る、タイル貼りの下地材をならすのが第1段階です。
少しセメントを少なくした材料で、あまり水を加えずパサパサのものを使います。広い場所があれば、写真のように角スコップで材料を混ぜるだけ。狭い場所なら、トロ舟を使うのが一般的です。
2.平らにならすのが難しい...
バサをコンクリートの上に置き、木ゴテやプラスチックゴテを使い平らにならします。
少しでも凹凸があるとタイルがかたついてしまうので、素人には真似できない難しい仕事です。貫という木を使って平らかどうか確認しています。
実際にタイルを貼るよりも、成功を左右するのがこの下地づくりです。しかも今回は駐車場で、ものすごく重い車が上に乗ります。ちょっとでも凸凹があると、タイルが割れてしまうので慎重に作業しました。
3.初日はここで終わり
写真左上はマスがある場所を「フロアハッチ」で仕上げるため、この日は全体の約2/3ほどが終わりました。
平らに仕上がっていてとてもきれいですね★
【おまけ】リビング窓の前の階段をタイル張りしている動画
かんたんには出来ません!
プロのタイル職人でも、何年もかかって広い面積を平らにならせるようになります。素人がやるとまったく平らにならないどころか、材料が次第に固まってしまい、使い物にならなくなるので注意。
車のような重い物が乗っかるので、少しでも隙間があるとタイルが割れてしまいます。タイル工事で下地作りが、いちばん大事な作業ですね!
【2日目】実際にタイル張りをしている様子@駐車場 ⭐
2日目は、下地の上にタイルを貼付けていく作業です。
糸を1mmの狂いもなくはることがとても重要で、仕上がりの良さがここで決まります。やわらかいゴムハンマーを使って、タイルを叩きながら調整するのがコツです。
4.タイルを貼付ける材料
下地のバサで平らにした場所へ、タイルを貼っていきます。
まずは、貼付ける材料づくり。「セメント+のり+珪砂」をプロペラで混ぜ合わせます。水みたいな感じではなく、ドロドロと少し堅い材料を作るのがコツです!
5.くし目をたてて材料をならす
上で作った材料を、コテを使ってくし目をたてながらならしていきます。
材料の厚さが均一になるように、気を付けながら施工するのがコツです。うまくいかなかったら材料をはがして、もう一度やっても大丈夫です。
6.イタリア製のタイルを貼ります
ここでやっと主役のタイルが登場!
イタリア製のオシャレなタイルを貼付けていきます。工程の後半に差し掛かっていますが、いかに下地づくりが大変かというのがわかりますね。
ここでポイント!糸の寸法を1mmの誤差なく直角にはります。差し金を使ったりしてしっかりと直角を出せば、後はそれに合わせてタイルを貼付けていくだけです。
7.ゴムハンマーがいいね
タイルを叩くのにおすすめなのが、上画像のゴムハンマーです。
なぜなら鉄のハンマーで叩くと、タイルが割れてしまうからです。ゴムハンマーか鉄ハンマーの後ろの木の部分で叩くのがいいでしょう。
タイルを叩く理由は、まわりのタイルと高さを合わせたり、材料がタイル裏の「足と呼ばれるくぼみ」にしっかり行き渡るようにするため。ゴムハンマーでタイルをたたきながら、慎重に調整していきます。
8.白とグレーの模様が分かってきました
この日の作業はここまで。
白とグレーのタイルを使って、おしゃれに駐車場をデザインしました。写真では見えませんが、四国化成のカーポート「マイポート」も施工しています(奥に柱2本だけ見える)。
【おまけ】リビング窓の前の階段をタイル張りしている動画
単純な作業ですが気を使います
下地をしっかり作っておけば、後は淡々とタイルを貼付けていくだけです。ただし、何度も何度も通りや直角を確認しながら貼っていくので、常に気を張っていなければなりません。
タイルをどんどん貼って、仕上がりのイメージが分かってくると楽しくなってきますね★
【7種類】タイルの貼り方にはどんな施工方法があるの?
ここからは、外構工事でやるタイル張りの種類を7つ紹介。職人はタイルの「重さ・サイズ・素材」によって、どの施工方法が適切か選んでから施工します。
- 【床面-圧着張り】外構工事でいちばん良くやる方法
- 【床面-改良圧着張り】外構工事ではあまりやらない方法
- 【床面-セメントペースト張り】階段工事でよくやる方法
- 【壁面-圧着張り】コンクリートブロックの上に貼る方法
- 【壁面-改良圧着張り】小型のタイルを貼るときの方法
- 【壁面-接着剤張り】建物の外壁にタイルを貼る方法
- 【壁面-モザイクタイル張り】門柱のアクセントにぴったり
1.【床面-圧着張り】外構工事でいちばん良くやる方法
外構で床面を工事するとき、いちばんよく施工する方法です(このページで詳しく解説した方法)。
床面-圧着張りの手順は以下。
- 下地をコンクリートやモルタルで仕上げておく
- 下地にモルタルを塗り付け、すぐにタイルを貼る
- ゴムハンマーなどで叩きタイル裏面にモルタルを広げる
- 直角・目地幅を確認しながら仕上げの高さにする
下地のコンクリートを、バッチリ平らにしておくことが大事です。タイル裏に塗ったモルタルでは、高さ調整はできません。
この方法で施工したタイル張りはこちら ⏬
2.【床面-改良圧着張り】外構工事ではあまりやらない方法
外構工事ではあまりやらない方法で、ビルやマンションでよくやる方法です。
床面-改良圧着張りの手順は以下。
- 下地をコンクリートやモルタルで仕上げておく
- 下地とタイルにモルタルを塗り付ける
- モルタルが乾かないうちにタイルを貼る
- 直角・目地幅を確認しながら仕上げの高さにする
200角以上のタイルに適した方法です。
3.【床面-セメントペースト張り】階段工事でよくやる方法
階段や狭い玄関アプローチ工事でよくやる方法です(このページで紹介した動画内でやっている方法)。
床面-セメントペースト張りの手順は以下。
- 下地をバサモル(硬練りモルタル)でつくる
- セメントと水を混ぜたセメントペーストを流す
- ゴムハンマーなどで叩きタイルを貼り付ける
- 直角・目地幅を確認しながら仕上げの高さにする
車のような、重いものが乗らない場所に適した方法です。
この方法で施工したタイル張りはこちら ⏬
4.【壁面-圧着張り】コンクリートブロックの上に貼る方法
門柱や塀をタイル貼りする方法です。
壁面-圧着張りの手順は以下。
- 下地のコンクリートブロックを積む
- 下地にモルタルを塗り付け、すぐにタイルを貼る
- ヴィブラートで振動させタイル裏面にモルタルを広げる
- 直角・目地幅を確認しながら仕上げの高さにする
ヴィブラートとは、タイル張りでよく使う振動工具のことです。ハンマーだとモルタルを広げるのに時間がかかるので、このヴィブラートを使うと仕事が早くなります。
この方法で施工したタイル張りはこちら ⏬
5.【壁面-改良圧着張り】小型のタイルを貼るときの方法
小型サイズのタイルレンガなど、大判じゃないタイルでやる施工方法です。
壁面-改良圧着張りの手順は以下。
- 下地とタイルにモルタルを塗り付ける
- モルタルが乾かないうちにタイルを貼る
- 直角・目地幅を確認しながら仕上げの高さにする
当社の外壁はタイルレンガを貼っていて、この改良圧着張りで施工しました。塗り壁とコラボさせた、おしゃれな事務所に仕上がっています。
当社の事務所の外壁を見てみる ⏬
6.【壁面-接着剤張り】建物の外壁にタイルを貼る方法
建物の外壁によくやる方法で、外構工事ではあまりやりません。
壁面-接着剤張りの手順は以下。
- 下地に接着剤を塗りつける
- 直角・目地幅を確認しながらタイルを貼る
目地詰めは必要ないので、陰影感のある壁面に仕上がります。
7.【壁面-モザイクタイル張り】門柱のアクセントにぴったり
門柱にアクセントとして、モザイクタイルを貼るときにやる方法です。
モザイクタイルはサイズがすごく小さいので、ひとつずつは貼りません。上画像のようにネットになっていて、カッターでかんたんにカットできます。
壁面-モザイクタイル張りの手順は以下(基本は接着剤張りと同じ)。
- 下地のコンクリートブロックを積む
- コンクリートブロックに接着剤を塗りつける
- 直角を確認しながらモザイクタイルを貼る
貼った後に目地材を入れるのが、接着剤張りとの違いです。モザイクタイルは種類がすごく豊富で、かわいい門柱にしたい人におすすめですよ!
モザイクタイル張りした門柱施工例はこちら ⏬
まとめ
この記事では、駐車場のタイル張りを手順を追って、写真をたくさん混ぜながら解説しました。いかがだったでしょうか?
タイル張りは現役の外構プロでも難しく、やっぱり専門のタイル屋さんにはかないません。片手間でタイル仕事をやっても上達しなく、やっぱり長年の辛抱強い経験が必要な職種です。
正直タイル張りは、DIY難易度がものすごく高いです。
元建築の職人なら可能かもしれませんが、素人ならもっとかんたんな工事(たとえば庭づくりなど)に挑戦してみましょう。
すぐ下の関連ページで「外構タイルの施工例・外構駐車場の施工例・外構DIY」を解説したページリンクを貼っておきます。
興味のある方はご覧になってください 😊
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以上、タイルの貼り方をプロが解説👷【駐車場の300角張り×DIYの参考にどうぞ!】…という話題でした。
更新:2024年07月03日|公開:2023年02月06日