ヤマボウシを庭に植えてはいけない理由・デメリット5選😱【メリットも5つ解説】

【更新日】2024.04.12.

ヤマボウシを庭に植えてはいけない理由

ヤマボウシは風情のある佇まいで、シンボルツリーとしても大人気の庭木です。しかし意外なデメリットも持ち合わせています。たとえば西日に弱い、剪定が難しいなど...

そこでこの記事では、庭に植える際のメリットとデメリットをバランス良く解説。

読み進めることで、なぜ庭に植えてはいけないかが分かり、庭木として植えたあとの美しい庭がイメージできるでしょう😊



それでは、ひとつずつ解説していきます。


この記事のライター(信頼性の担保)

菅間 勇 2級建築士・2級建築施工管理技士・甲種危険物取扱者

埼玉県生まれ。東京農業大学、大宮建設高等職業訓練校卒。高校からアルバイトで外構と庭の仕事をはじめ、現場経験は20年以上。

子どもとチェスをこよなく愛す、3児の父親。

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ヤマボウシを庭に植えてはいけない理由・デメリット5選😱【メリットも5つ解説】

当社クローバーガーデンは埼玉県の「外構と庭工事専門会社」です。

毎年60件以上の外構工事を行い、庭木の植栽も行っています


1.【5選】ヤマボウシを庭に植えてはいけない理由

ヤマボウシの開花画像


1.落葉樹と常緑樹のどちらか迷う

ヤマボウシはシンボルツリーにもなる、ものすごく人気のある庭木!しかし落葉樹と常緑樹があり、どちらもすごく魅力的で、選ぶのが難しいです...

落葉樹は四季の変化を楽しむことができ、春には芽吹き、秋には紅葉を楽しむことができますが、冬場は見た目が寂しいというのがデメリットです。

一方、常緑樹は年間を通じて緑を保つため、常に生命感がある庭を保つことができますが、四季の変化を感じにくいという面もあります。


2.ハナミズキほど華やかでない

ハナミズキとヤマボウシは、ともに美しい春の花を咲かせる樹木です。しかし花の特徴や見た目には、大きな違いがあります。

ハナミズキの花はすごく華やかで、その視覚的インパクトは強いです。対照的にヤマボウシの花は控えめで、穏やかな美しさがあります。そのため、庭の主役として派手さを求めるなら、ハナミズキが適しているかもしれません。


3.日当たりが悪いとうまく育たない

ヤマボウシは日光を好む植物であり、十分な日光がないと健全な成長が見込めません。とくに、花や実を豊富につけるためには、良好な日当たりが必要です。

日陰の多い場所では花が咲かなかったり、実が成熟しなかったりすることがあります。また、秋の美しい紅葉も日光が不足していると期待通りの色づきにはなりません。

したがって、植える際は日当たりの良い場所を選ぶことが大切です。


4.西陽に弱い

ヤマボウシは西日に弱く、強い西日が当たると葉が焼けたり、植物全体のストレスが増えてしまうことがあります。

このような場所に植える場合は、根元に下草を植えるなど、地面の乾燥を防ぐ工夫が必要です。地面が乾燥すると根が十分に水分を吸収できず、さらにストレスを受けやすくなります。

そのため、西向きの庭に植える場合は、水やりや日陰を作るなどの配慮が求められるでしょう。


5.剪定が難しい

ヤマボウシは自然な樹形を楽しむための木であり、その美しい形を保つためには、剪定にある程度のセンスが必要です。

不適切な剪定は見た目を損ねるだけでなく、植物の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。とくに、枝の成長が活発な若木の場合、どの枝を残し、どの枝を切るかを見極めるのが難しいです。

剪定に自信がない場合は、専門家に相談するか、剪定が少ない他の樹種を選ぶことをおすすめします。


ヤマボウシを庭に植える場合は、これらのデメリットを理解し、適切な環境と丁寧なケアが可能かどうかを検討することが重要です。

美しい見た目を保ちつつ、庭木が健康に育つための努力が必要になります。


2.【5つ】ヤマボウシの魅力と庭に植えるメリット

1.【人気シンボルツリー】株立ちなら成長速度が遅い

玄関先に植えられたヤマボウシ

ここでのポイントは3つ
  • シンボルツリーの中でもとくにオススメ!
  • 初心者でも育てやすい丈夫な庭木
  • 自然に樹形が整い剪定もかんたん!

シンボルツリーの中でもとくにオススメ!

シンボルツリーとして植えた株立ちヤマボウシ

ヤマボウシはシンボルツリーとしておすすめの庭木です(とくに株立ち)。

2018年に当社クローバーガーデンで植えたシンボルツリーを集計したところ、ヤマボウシをいちばん多く植えていました。人気がある理由は、お客さまの満足度が高くクレームも少ないからです。

  • 【樹高】10~15m
  • 【葉張り(樹冠の横幅)】10~15m
  • 【花色】白、ピンク
  • 【開花期】5~7月
  • 【果実色】赤
  • 【果実熟期】9~10月
  • 【用途】シンボルツリー、庭木

ヤマボウシは樹高10~15mほどになる落葉中高木樹で、日本自生種であるため育てやすい庭木です。里山の趣を持つのが魅力で、日本人好みの庭木といえます(和風・洋風どちらもOK!)。


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初心者でも育てやすい丈夫な庭木

ヤマボウシは庭木初心者でも育てやすい庭木です。

ヤマボウシは日本自生種なので、日本の気候風土にとても合います。つまり、虫がつきにくく枯れる心配が少ない庭木なので、目立つ場所に植えるシンボルツリーにおすすめです。


狭い庭やベランダでも楽しめる

ヤマボウシのほとんどの品種が鉢植えでも育ち、成長速度が遅いので扱いやすいです。

樹高1mぐらいまでは6号鉢、1.5~1.7mぐらいで10~12号鉢で育てらます。ただし、限られた用土の量なので十分肥培し、2~3年おきに植え替える必要があります。

また、大きなワイン樽を2つに切った大型コンテナなら2m内外の木が植えられるので、根元に横に広がる草花やユキヤナギ、コトネアスターなどをあしらうと立派なミニガーデンができます。


自然に樹形が整い剪定もかんたん!

新緑の時期に白い花を咲かせるヤマボウシ

ヤマボウシは放任しても自然に樹形が整うので、広い庭に植えればあまり剪定は必要ありません。

ただ、狭い場所で育てる場合は、適切な枝抜き剪定をすることで、無用な枝の伸びが抑えられます。手つかずの自然を、身近に感じられる樹形が魅力です。


2.【常緑ヤマボウシの種類もある】落葉との見分け方は?


ここでのポイントは3つ
  • 常緑ヤマボウシの種類もある
  • 落葉ヤマボウシの種類・品種
  • 常緑と落葉との見分け方は?

常緑ヤマボウシの種類もある

常緑やまぼうしの花

ヤマボウシは一般的に落葉樹ですが、中国原産のヤマボウシには1年中葉をつける常緑樹の種類もあります

たとえば以下の品種。

  • 【ホンコンエンシス「月光」】小花で開花量が多い品種
  • 【ホンコンエンシス「雪帽子」】矮性種の小型品種
  • 【マウンテンムーン】ブータンで発見された品種
  • 【ヒマラヤヤマボウシ】黄色がかった花色品種
  • 【ウィンターレッドペイジ】花色品種
  • 【リトルルビー】八重の花色品種

落葉ヤマボウシより、花のあでやかさは欠けるのがデメリット。ただし花径が5~6cmと小輪ですが花つきがとてもよく、秋口に真っ赤な果実をたくさんつけるメリットがあります。

常緑樹は「日陰を作る」「目隠しにする」といった目的に使いやすく、玄関前やリビング前に植えるといいでしょう。


落葉ヤマボウシの種類・品種

花がピンク色になる品種ミスサトミ

落葉ヤマボウシのほうが常緑樹より品種が多く、たとえば以下の品種があります。

  • 【ミス・サトミ】濃いピンク色の総苞片を持つ
  • 【ベニバナヤマボウシ】総苞片が淡紅色の華やかな品種
  • 【ミルキーウェイ】普通種よりも花つきがよい
  • 【ビッグアップル】果実が大きな品種
  • 【ウルフアイ】白覆輪の斑入りの品種
  • 【ホワイト・ミヌマ】普通種よりも花つきがよい
  • 【ゴールドスター】葉の中心に黄色の斑が入る
  • 【紅富士】びっしりと花を咲かせる品種
  • 【筑波の峰】白花を咲かせる品種

落葉樹のデメリットは、やっぱり落ち葉の掃除がめんどくさいこと!住宅街で隣家と近いなら、落葉期の掃除はこまめにやらないといけません。

メリットは冬には葉が落ちて、あたたかい陽光が差し込む庭になること。夏は常緑ヤマボウシ同様、葉っぱが厳しい日差しを遮ってくれます。


常緑と落葉との見分け方は?

見分け方は以下です。

  • 常緑は一年中緑で、落葉は冬は枝だけ
  • 紅葉は落葉樹のほうが赤色が強い
  • 常緑の葉は厚く緑色が濃い

常緑ヤマボウシは寒さに弱いので、北関東以北だと冬に枯死する可能性があります。南関東だと、冬に半分ぐらい落葉するでしょう。

冬の寒さの厳しい地域なら「落葉ヤマボウシ」の一択。それほどでもなければ、「常緑・落葉どちらでも」元気に育ってくれるでしょう。


3.【美しい花】ハナミズキとの違い+おすすめはどっち?

白い総苞片の中心にあるのがヤマボウシの花

ここでのポイントは3つ
  • 小ぶりで清楚な白い美しい花が咲く
  • ライバル「ハナミズキ」との違いは?
  • あなたにおすすめなのはどっちかな?

小ぶりで清楚な白い美しい花が咲く

雨に濡れたヤマボウシの葉っぱと花

ヤマボウシの開花期は5~7月と長く、白くて繊細な花を咲かせます。

ヤマボウシで白く見えるのは、本当は花ではなく総苞片(そうほうへん)というものです。花は総苞片の中心に20~30個の集まりあまり目立ちません。

ただ、総苞片も合わせて花と見れば、ハナミズキより小ぶりで清楚な花がとてもきれいです。総苞片は先端がとがった端正な表情で4枚からなり、ヤマボウシの樹冠を埋めるように咲きます。

とくに花つきがよい品種は、満開時に花の重みで枝がしなるほどです。紅花の種類(ベニバナヤマボウシなど)は、よく日に当たる場所に置くときれいに発色してくれます。


ライバル「ハナミズキ」との違いは?

ヤマボウシはハナミズキと同属で、似ていることが多いです。

しかし、ヤマボウシが庭木で人気が出てきたのは最近で、一般住宅ではまだわずかに植えられている程度です。それに比べ近縁種のハナミズキは、全国どこででも見られるほど普及しています。

ヤマボウシがハナミズキほど多く見られないのは、ヤマボウシは花が5~7月と少し間をおいて開花し、花のあでやかさに欠け、品種が少ないなどの理由からです。

ただ、最近のはやっている庭木テーマは「雑木風」なので、ヤマボウシの人気が急上昇しているのも当然の結果と言えるでしょう。


花はものすごく似ている
ハナミズキ(左)はくぼみがあり、ヤマボウシ(右)はとがっている

ヤマボウシに似た花はハナミズキで、どちらも美しく魅力があります。

ヤマボウシは総苞片(そうほうへん)にくぼみがなく先端がとがっていて、ハナミズキは先端にくぼみがあるのが違いです。

ヤマボウシの方が全体的にすっきりした印象を与え、新緑が美しい5~6月に登山に出掛けると真っ白な花が目に飛び込んできます。園芸品種のベニフジやミスサトミなどは、ピンク色のかわいらしい花を咲かせます。

まとめると以下です。

ヤマボウシ ハナミズキ
花の特徴 先端がとがる 先端がくぼむ
開花時期 5~7月 4月
果実 赤くて大きい 赤くて小さい
食べられる? OK NG
印象 すっきりした雑木 華やかな花木
病気・害虫 ほとんどない よく発生する

参考にどうぞ!


あなたにおすすめなのはどっちかな?

選び方のポイントは以下です。

  • 【ヤマボウシ】雑木の雰囲気が好き
  • 【ハナミズキ】華やかな雰囲気が好き

どちらも育てやすい庭木なので、いっぱい悩んでから決めましょう!正直言って、どっちも正解です。

また、和風の庭があり「どうしてもハナミズキを植えたい!」って人は、代わりにヤマボウシを植えましょう。


ハナミズキの詳細はこちらです⏬

ハナミズキはシンボルツリーや庭木におすすめ🌳【デメリットは派手すぎることかな?】


4.【食べられる赤い実がなる】ジャムや果実酒にしよう!

ヤマボウシの赤い果実

ヤマボウシの実は生でも食べられ、マンゴーやバナナ、アケビの味に似ていてとてもおいしいです!(ちょっと薄味だけど...)

花後に結実する果実は8月下旬~10月に赤く熟し、どろんとした甘さで中には種子があります。時期はちょうど学校の夏休みが終わる頃です。

たとえば、以下のように食べられます。

  • 生食
  • ジャム
  • 果実酒
  • ドライフルーツ

見た目が「悪魔の実」のようですが毒はなく、生でもおいしく食べられますよ。


ヤマボウシで作るジャムのレシピ


ジャムのレシピ
  • ヤマボウシの果実:100g
  • 砂糖:20g
  • レモン汁:味を見ながら加える

まず皮をむきしっかり水洗いします。砂糖を加えて鍋で弱火で加熱し、木ベラで潰しながら煮て、沸騰したら火からおろしてこします。
もう一度火にかけ、とろみが出るまで煮詰めます(ここで味を見ながらレモン汁を加える)→完成!


※煮詰め過ぎないのがポイントです!



ヤマボウシで作る果実酒のレシピ

果実酒のレシピ
  • ヤマボウシの果実:1kg
  • ホワイトリカー(焼酎)35%:1.8l
  • 氷砂糖:100~200g
  • レモン:1個

ヤマボウシの果実の皮はむかずにしっかり水洗いしたら、水分はよく拭き取り、陰干しするなどして水気を取ります。
果実酒用の容器に入れ、ホワイトリカー・氷砂糖・レモンを加え、2~3ヶ月漬け込みます→完成!


※長期保存(2年以上)する場合は、保存性を良くするために漬け込み時に35%ホワイトリカーを少し多めに入れましょう。
※ブランデーを使うのもオススメです!(大人な感じ)



5.【秋の紅葉が美しい】うまく紅葉しない人にアドバイス

風情があるヤマボウシの紅葉

ヤマボウシの秋の紅葉は風情がありとっても美しい!

葉が明るい赤色から黒っぽい赤色まで、1枚1枚違って見えるのが特徴です。里山にある雑木の雰囲気が味わえるので、なんだか懐かしい気持ちにさせてくれます。


うまく紅葉しない人にアドバイス3つ

真っ赤に紅葉するヤマボウシ

ヤマボウシを上手に紅葉させるポイントは、以下の3つです。

  • 日当たりが良い場所
  • 昼と夜の温度差が大きい場所
  • しっかりした管理(剪定作業も)

やっぱり日当たりはいちばん大事です!1年を通して葉に日が当たる場所を選び、日陰になる場所には植えないでください。

また、昼夜の温度差が必要なので、建物から離れた場所に植えると良いです。住宅地では車の排気ガスにも注意してください。


まとめ

この記事では、ヤマボウシのメリットとデメリットを紹介しました。いかがだったでしょうか?

ヤマボウシは日本の気候風土に合うので、シンボルツリーとして手間がかかりません。9月ごろに熟す果実では「ジャムや果実酒」が作れ、秋の風情ある紅葉も楽しめるなど、ヤマボウシにはたくさんの魅力があります。


ヤマボウシは雑木の雰囲気を持つ庭木です。

ナチュラルガーデンに植える人も多く、玄関前のシンボルツリーにもぴったりですよ!



すぐ下の関連ページで「植えてはいけないシリーズ・植えてはいけない庭木2つ」を解説したページリンクを貼っておきます。

興味のある方はぜひご覧になってください😊


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以上、ヤマボウシを庭に植えてはいけない理由・デメリット5選😱【メリットも5つ解説】…という話題でした。

更新:2024年04月12日|公開:2024年04月12日

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