梅の木を庭に植えてはいけない理由・デメリット5選😱【メリットも5つ解説】

【更新日】2024.04.10.

梅の木を庭に植えてはいけない理由

梅の木は、その美しい花やおいしい果実で知られ、多くの人々に愛される庭木です。しかし、庭に植えることには、いくつかのデメリットも存在します。たとえば、根の拡がりや害虫や病気にかかりやすい傾向など。

そこでこの記事では、庭に植える際のメリットとデメリットをバランス良く解説します。

読み進めることで、なぜ庭に植えてはいけないかが分かり、庭木として植えたあとの美しい庭がイメージできるでしょう😊



それでは、ひとつずつ解説していきます。


この記事のライター(信頼性の担保)

菅間 勇 2級建築士・2級建築施工管理技士・甲種危険物取扱者

埼玉県生まれ。東京農業大学、大宮建設高等職業訓練校卒。高校からアルバイトで外構と庭の仕事をはじめ、現場経験は20年以上。

子どもとチェスをこよなく愛す、3児の父親。

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梅の木を庭に植えてはいけない理由・デメリット5選😱【メリットも5つ解説】

当社クローバーガーデンは埼玉県の「外構と庭工事専門会社」です。

毎年60件以上の外構工事を行い、庭木の植栽も行っています


1.【5選】梅の木を庭に植えてはいけない理由

白色の花が咲いた梅の木

梅の木は、その美しい花やおいしい果実で知られ、多くの人々に愛されています。しかし、梅の木を庭に植えることには、いくつかのデメリットも存在するのも事実です。

ここでは、梅の木を庭に植える際の主な問題点を5つ挙げ、その理由と対処方法について詳しく説明します。


1.根の拡がりが問題になることがある

梅の木は、広がりやすい根を持っています。これは、地下水や栄養分を求めて広範囲にわたって伸びるためです。この根の拡がりは、建物の基礎や隣接する植物に悪影響を与えることがあります。

とくに、家の近くや他の植物の根が密集している場所に植える場合、根が絡み合ったり、構造を損なったりする可能性が大です。

対処方法は、根の問題を最小限に抑えるために、梅の木を植える際は、建物や他の植物から十分な距離を保つこと。また、根の成長を制限するため、根巻き材や障壁を使用することも有効な方法です。


2.害虫や病気にかかりやすい

梅の木は、特定の害虫や病気にかかりやすい傾向があります。これらの問題は、木の健康を損ない、果実の品質にも影響を与えるのがデメリット。とくに、アブラムシやカイガラムシ、さび病などは、梅の木にとって一般的な病害虫です。

対処方法は、害虫や病気のリスクを軽減するためには、定期的な監視と適切な管理をすること。発見したら、適切な殺虫剤や殺菌剤を使用して対処します。また予防措置として、適切な剪定や周囲の清掃を行うことも重要です。


3.花粉や果実によるアレルギー問題

梅の木の花粉や、落ちた果実が腐ることによって生じるアレルギー反応も、梅の木を庭に植える際に考えておきましょう。

花粉は、春にアレルギーを引き起こす原因となります。また、果実が腐る過程で発生するカビは、とくに敏感な人にとって健康問題を引き起こす可能性もあるでしょう。

対処方法は、アレルギー反応を防ぐためには、梅の木の下を清潔に保つこと。落ちた果実は速やかに拾い集めて、処理することが効果的です。また、アレルギーのある人は、花粉が飛散する時期には窓を閉めておくなどの対策が必要となります。

参考文献:ウメ花粉症の研究


4.年間を通しての手入れが必要

梅の木は、美しい花や果実を楽しむためには、年間を通して手入れが必要です。

剪定や施肥、害虫や病気の管理など、定期的なケアが欠かせません。これらの手入れは、木の健康を維持し、良質な果実を得るために重要ですが、手間と時間がかかる作業です。

対処方法は、梅の木の管理に関する知識を深め、適切な時期に適切な手入れを行うこと。また、必要に応じて専門家の助言を求めることも、有効な方法となります。


5.梅実の落下による掃除の手間

梅の木から落ちた果実は、庭を汚す原因です。とくに、大量に落果すると、それを拾い集めるのに多大な労力が必要となります。

また、果実が腐ると、不快な臭いが発生したり、害虫が集まってくることもあります。

対処方法は、落果による問題を最小限に抑えるためには、定期的に果実を拾い集めて処理すること。また、果実を利用したジャムや果実酒などの加工品を作ることで、落果の問題を有効に活用できます。


梅の木を庭に植えることは、その美しさや果実を楽しむための素晴らしい選択です。

そして上の問題点を考慮し、適切な管理と手入れを行うことが重要。これらの問題に対処することで、梅の木との生活がより豊になるでしょう。


2.【5つ】梅の木の魅力と庭に植えるメリット

1.【シンボルツリーにおすすめ】風情ある和風の庭木

シンボルツリーとして生長した梅の木

ここでのポイントは3つ
  • シンボルツリーに使える落葉高木樹
  • 樹木の特徴(風情ある枝ぶり)
  • 寿命はどのくらいか?

シンボルツリーに使える落葉高木樹

樹形が美しい「しだれ梅」

梅はシンボルツリーとしておすすめの庭木です。

真冬の2月に花を咲かせる、早春を代表する庭木で人気があります。しだれ性の樹形もあり、こちらは枝ぶりもかっこいいです。とくに古い木には、樹形の美しさと風格があります。

もし広い庭があって和風庭園を作りたいなら、「しだれ梅」と「花梅」をいっしょに植えるのも面白いですね。

  • 樹高:5~10m
  • 花色:白・ピンク・赤
  • 開花期:2〜3月
  • 果実色:黄
  • 果実熟期:5〜6月
  • 用途:シンボルツリー、庭木、添景樹、盆栽

樹木の特徴(風情ある枝ぶり)

ピンク色の花が咲いた梅の木

梅の木は花色・花姿・香りと個性的で、冬枯れの庭を彩ります

樹高5~10mほどの落葉高木樹で、枝は斜め上あるいは真上に伸び、枝が枝垂れる品種もあります。晩秋には美しく紅葉するのがメリットです。

葉は互生で卵形をしていて、5~8cmの長さ。縁には細かい鋸歯(ギザギザ)があり、先端はとがっています。


寿命はどのくらいか?

白色の花が咲いた梅の木

100年以上の寿命があります(ものすごく丈夫な樹木)。

あまりストレスのかからない場所で育て、毎年のしっかり管理すればこのぐらいでしょう。ただし果実を収穫する目的の実梅なら、寿命はもっと短いです。


2.【香りある花が咲く】開花時期+花が咲かないときは?

美しい梅の花

2〜3月のまだ花の少ない時期に、趣ある日本人好みの花が咲きます

春の花の先駆けとして、寒中に気品と清楚をあわせ持つ香りを放ち、道ゆく人々も楽しませてくれるのがメリット。「万葉集」にも梅の描写が見られるほど、古来より日本人に愛されてきた庭木です。

梅の花色は3種類

花の特徴をまとめると以下。

  • 【花色】白・赤・ピンク
  • 【香りの良い花色】白花
  • 【花の直径】2~3cmほど
  • 【大きさ】小輪・中論・大輪
  • 【咲き方】一重咲き・八重咲き
  • 【開花時期】1~2月の早咲き・3月の遅咲き

梅の花は冬の空気の中で、とても上品な芳香を楽しませてくれます(ロウバイに似た匂い)。

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花が咲かないときの対処法は?

小さくてかわいい梅の花

剪定で注意して欲しいのは、花芽をまちがって切ってしまうことです。

梅の花は、今年伸びた枝の側芽が花芽になります。それが翌年の初春に開花するので、花芽を見つけたらなるべく残しながら剪定してください。

また、植えたばかりの梅の木だと花が咲かない場合もあるので、気長に数年様子を見ましょう。それと、基本的な育て方を実践してみてください(あとでまとめて解説)。


3.【実ウメあり】実がなるまでは?実がならない原因は?

果実もおいしい梅の木

ここでのポイントは3つ
  • 果実を収穫できる品種もある
  • 実の特徴(実がなるまで何年?)
  • 実がならない原因と対策はなに?

果実を収穫できる品種もある

果実を収穫できる「実梅」は、梅干し・梅酒・ジャムなどさまざまな用途で食用できます。家庭栽培におすすめです。

梅干しの定番は「南高梅」、カリカリ食感の梅漬けに使う「琉峡小梅(りゅうきょう)」、ジュースがおいしい「露茜(つゆあかね)」、梅酒やジュースなどの飲料向きの「翠香(すいこう)」などがあります。

  • 南高梅:高級梅干しの定番
  • 琉峡小梅(りゅうきょう):カリカリ食感の梅漬けに使う
  • 露茜(つゆあかね):うめジュースがおいしい
  • 翠香(すいこう):梅酒やジュースなどの飲料向き
  • 豊後:梅干しや梅酒に適す
  • 白加賀:梅酒に適す
  • 八郎:梅干しに適す
  • 花香実:梅干しに適す

実の特徴(実がなるまで何年?)

収穫したウメの実

実ウメ品種を植えると、6月ごろに収穫できます

果実は球形で表面に細かい毛が密生し、直径は2~3cmほどです。重さが10g未満を小梅、10~25gを中梅、25g以上を大梅と分けられます。

また、実がなるまでの目安は以下です。

  • 【種から育てたら】5年前後
  • 【接ぎ木したら】3年前後

「桃栗三年柿八年」と言いますが、梅はだいたい中間ぐらいですね。


実がならない原因と対策はなに?

南高梅がなった梅の木

原因と対策は以下です。

  • 【原因】自家受粉しない(1本だけだと実がならない)
  • 【対策】2品種以上を近くに植える

梅の木は自家受粉しないので、果実を収穫したいなら、2品種以上を琨植する必要があります

また自然受粉(風や昆虫に頼る)よりも、人工受粉の方が結実しやすいです。なぜなら開花は寒い時期なので、まだ虫があまり活動していないからです。


4.【種類が豊富】花ウメは3系9性ある(簡単な見分け方)

梅の木とメジロの共演

梅の木には300種類をこえる園芸品種があり、とくに花梅は品種が豊富です。

「野梅系」は原種に近い系統、「豊後系」はウメとアンズの中間の性質を持つ系統、「紅梅系」は枝の断面が紅色の系統、「杏系」はアンズとの雑種系統の4つがあります。

野梅系の「思いのまま」は最近人気があり、赤と白の花を1本の木で咲き分ける八重咲きの珍しい品種です。


花ウメは3系9性ある(簡単な見分け方)

道明寺天満宮の和風庭園に植えられた梅の木

ウメの品種は花ウメと実ウメに大別でき、現在300種類以上の園芸品種があります。花ウメは3系9性に分けられますが、この分類には諸説あってよくわかりません...

ここでは3系統に分けて、代表的な品種を10種類ずつ紹介していきます。


花ウメ3系9性
  • 野梅(やばい)系:野梅性、難波性、紅筆性、青軸性
  • 紅梅(こうばい)系:紅梅性、緋梅性、唐梅性
  • 豊後(ぶんご)系:豊後性、杏性

野梅系10品種
白い花を咲かせる花梅の品種

原種に近い系統で、香りの良い小さい花を咲かせます。花ウメの過半数が野梅系です。

  • 冬至梅
  • 紅冬至:ピンク花で中輪一重咲き
  • 八重寒紅:ピンク花で中輪八重咲き
  • 思いの儘(まま):八重咲きで、赤と白の花を1本の木で咲き分ける
  • 一重野梅
  • 県驚(けんきょう)
  • 都錦
  • 初雁
  • 見知辺(みちしるべ):大輪一重で遅咲き

紅梅系10品種
桃花を咲かせる花梅の品種

枝の断面が紅色の系統で、花色は紅色や緋色です。

  • 大盃(おおさかずき):赤花で大輪一重咲き
  • 緋の司:赤花で中輪八重咲き
  • 内裏
  • 紅筆
  • 紅鶴
  • 紅千鳥:蝶弁を交える
  • 緋梅
  • 緋梅(ひばい)
  • 五節の舞(ごせちのまい)
  • 鴛鴦(えんおう)

豊後系10品種
公園に植えられた梅の木々

ウメとアンズの中間の性質を持つ系統で、大きな花を咲かせます。

  • 開運
  • 越後獅子
  • 黒田
  • 白牡丹(しろぼたん)
  • 楊貴妃:ピンク花で中輪八重咲き
  • 未開紅
  • 江南所無(こうなんしょむ)
  • 勞謙(ろうけん)
  • 豊後(ぶんご)
  • 緋の袴(ひのはかま)

5.【育てやすい庭木】強い剪定をしても枯れない!

枝ぶりも美しい梅の木

庭木を植えたことのない初心者でも、梅の木は育てやすいです。

なぜなら、強い選定にも耐えられる丈夫な木なので、下手に切っても枯れる心配が少ないからです。

放任して自然樹形で育てるのがコツで、樹高をある程度抑えながら小さく維持しましょう。鉢植えや盆栽でも楽しめます。


まとめ

この記事では、梅の木のメリットとデメリットを紹介しました。いかがだったでしょうか?

梅の木は和風の風情がおしゃれな木で、和風庭園をつくりたいなら外せない庭木です。花梅と実梅があるので、実を収穫したいなら実梅を植えましょう。


梅の木は盆栽でも楽しめます。

コケに合わせた枝ぶりがかっこいいので、室内でじっくり楽しみたい人におすすめです。



すぐ下の関連ページで「植えてはいけないシリーズ・植えてはいけない庭木2つ」を解説したページリンクを貼っておきます。

興味のある方はぜひご覧になってください😊


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以上、梅の木を庭に植えてはいけない理由・デメリット5選😱【メリットも5つ解説】…という話題でした。

更新:2024年04月10日|公開:2024年03月31日

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