玄関スロープの作り方🤔【階段をスロープにする方法×後付けDIYも解説】

【更新日】2024.07.03.

玄関⇄階段スロープ×作り方のコツ

あなたの家庭の安全は、常に心に重くのしかかる問題です。とくに屋外のスロープの設計は、転倒や怪我のリスクを伴います。この不安を解消するため、あなたはどう対処しますか?

この記事ではそんな不安を一掃するため、スロープの設計から安全な使用方法まで詳しく解説します。また、施工のコツやおしゃれな実例も豊富に紹介するつもりです。

最後まで読み進めることで、家族全員が安心して使えるスロープが、どのようにして実現できるか明確になりますよ😊


執筆者ライターの外構専門家「菅間勇」
【この記事の執筆者】菅間 勇
埼玉県生まれで、外構エクステリア業界は20年以上(今も現役)。東京農業大学・大宮建設高等職業訓練校卒。高校からアルバイトで外構と庭の仕事をはじめる。子どもとチェスをこよなく愛す、3児の父親。【資格:2級建築士・2級建築施工管理技士】≫信頼できる情報発信に向けての取り組み

クローバーガーデン埼玉のロゴ

当社クローバーガーデンは、埼玉県で営業する「外構と庭工事の専門会社」です。年間60件ほどの工事を行い、今までたくさんのお客さまにご満足いただきました

わたしたちは、施工とデザインにおいて高い専門知識と技術を持ち、お客さまの理想とする家づくりをお手伝いしています。家の外まわりならすべて工事でき、庭木の植栽や芝張りまで幅広く対応できる業者です。


玄関 ⇄ 階段のスロープとは?

スロープとは?

スロープとは、日本語の「傾斜・斜面」という意味で、バリアフリー用につくる通路のことです。

屋外ではおもに「玄関ポーチからアプローチ」にかけて作ることが多く、階段の代わりに利用します。アプローチが広ければ、階段の隣に併設することもあり、両方あると生活がより便利です。

屋外用スロープのかっこいい施工例

また「階段の上り下りが大変なので、緩やかなスロープをつくって欲しい」という、リフォーム工事の問い合わせも増えています。だれだって年をとると、ちょっとの段差でも危険ですからね。


【3つ】玄関にスロープがあるデメリット

玄関スロープのデメリット

デメリットは3つ
  • 階段が狭くなる
  • 距離がないと勾配がきつくなる
  • 勾配がきついと転びやすくなる

スロープの使い方にもよりますが、ある程度広い場所がないとスロープは作れません。

幅が狭くて急勾配のスロープは逆に危険で、転んでケガをする可能性が高まります。ゆったり使えるスロープが作れないなら、計画しないほうがいいかもしれません...


【5つ】玄関にスロープがあるメリット(得られる恩恵)

玄関スロープのメリット"

メリットは5つ
  • つまづき転倒がなくなる
  • 外に出かけるようになる
  • 車椅子の上り下りがしやすい
  • 小さい子供でも自分で歩ける
  • タイヤ付きアイテムが移動しやすい

高齢者にとってのメリット

スロープのある玄関アプローチのイラスト

車椅子はすごく重いので、楽に上り下りができるのがいちばんのメリットです。

段差がないのでスムーズに歩け、階段のようにつまずいて転ぶことも減ります。外出の機会が増えれば、ストレス発散にもなるでしょう。


子育て世代にとってのメリット

子育て世代にもメリットはたくさんあり、ベビーカー・自転車・買い物カートなどの移動が楽です。

また、小さい子供を抱っこして階段を登るのは大変!そこでスロープがあれば、子供は面白がって自分で歩くようになります。


【コツ7選】玄関 ⇄ 階段のスロープのおしゃれな作り方 ⭐

玄関⇄階段スロープを作るコツ

ここからは、外構工事歴20年以上のプロが、屋外用スロープの工事で失敗しないコツを解説します。



スロープは幅広でゆったり作るのがコツです。

舗装面は滑りにくい素材で仕上げ、そこに手すりをつければ完璧ですよ!


1.【どっちがいい?】バリアフリーにはスロープ or 階段?

男性の画像

わたしの個人的な意見は以下。

勾配が緩ければスロープ!


ネットでいろいろ調べてみたところ、「どっちがいいか?」はその人によって意見が違います。このページ(≫同じところへ登る場合に階段とスロープどちらが楽ですか。)が参考になるのでどうぞ。

勾配がきついと足首に負担がかかるので、段差が低い階段なら歩くほうが楽です。逆に勾配が緩ければ足首に負担がかからないので、スロープの方が歩きやすいでしょう。


【結論】広ければ両方つくろう!

スロープと階段を両方つくった施工例スロープと階段を両方つくった施工例

結局、両方あった方が生活しやすくなるので、敷地に余裕があれば併設するのがおすすめ!

上画像は、スロープと階段の両方がある施工例です。奥まった場所に門柱が作れたので、広々したアプローチに両方施工できました。石張り仕上げがおしゃれです。

狭い敷地なら「踊り場」をつくって、距離をかせぐ工夫をするといいでしょう。


上画像のおしゃれな施工例はこちら ⏬

ディーズガーデン物置がある施工例👷【パーゴラテラスを作った庭工事です】


2.【作り方のコツ】基準となる幅・滑り止めの舗装を紹介

スロープ工事をしている画像

玄関スロープの作り方🤔【階段をスロープにする方法×後付けDIYも解説】

スロープづくりには、いくつか抑えておくべきポイントがあります。

ここでは、スロープ幅と舗装仕上げの紹介です。


バリアフリー法にある基準幅はどのくらい?

スロープの基準

国土交通省が定めるバリアフリー法には、スロープ幅の基準が記載されています。

  • 【建築物移動等円滑化基準】スロープ幅は120cm以上
  • 【建築物移動等円滑化誘導基準】スロープ幅は150cm以上

建築物移動等円滑化基準とは「最低限のレベル」で、建築物移動等円滑化誘導基準とは「望ましいレベル」のことです。

しかし上記は公共施設の建築物(病院・老人ホーム・学校など)が対象なので、戸建て住宅には当てはまりません。参考ページ:≫バリアフリー法

戸建て住宅なら、敷地の広さに合わせフレキシブルに幅を決めるのがいいでしょう。使う目的によっても幅は違うので、あとで個別の幅を解説します。


滑り止め仕上げの舗装がおすすめ!

L型で洗い出し仕上げの玄関スロープL型で洗い出し仕上げの玄関スロープ

なぜなら、傾斜があると滑りやすいので、滑り止めがあると安全だからです。

屋外スロープの舗装仕上げには、以下のような方法があります。

  1. 洗い出し仕上げにする
  2. コンクリート表面に凸凹をつける
  3. コンクリート表面をハケでザラザラにする

当社では1と3で仕上げることが多く、洗い出し仕上げには「リンクストーン」という材料をよく使います。

ほかには、滑り止め塗料・滑り止めマット・滑り止めシートなどもあり、これらはDIYでも後付けできるのがメリットです。


洗い出し仕上げの詳細はこちら ⏬

洗い出し仕上げのコンクリートおしゃれ4種類🤩【舗装のデメリットも解説します】


3.【勾配・角度】スロープの勾配を計算する方法

スロープの勾配計算の方法

ここでのポイントは3つ
  • バリアフリー法にある基準勾配はどのくらい?
  • 住宅用スロープの勾配計算の方法
  • 住宅用スロープ勾配のまとめ!

バリアフリー法にある基準勾配はどのくらい?

スロープの基準

国土交通省が定めるバリアフリー法には、スロープ勾配の基準が記載されています。

  • 【建築物移動等円滑化基準】スロープ勾配は1/12以下
  • 【建築物移動等円滑化誘導基準】スロープ勾配は1/12以下(屋外は1/15以下)

建築物移動等円滑化基準とは「最低限のレベル」で、建築物移動等円滑化誘導基準とは「望ましいレベル」のことです。

しかし上記は公共施設の建築物(病院・老人ホーム・学校など)が対象なので、戸建て住宅には当てはまりません。参考ページ:≫バリアフリー法

戸建て住宅では敷地が限られているため、この基準で作るのは難しいでしょう。敷地からはみ出ないようにし、距離と高低差で勾配を決めるのが一般的です。


住宅用スロープの勾配計算の方法

住宅用スロープ

以下が勾配計算の早見表です。

勾配 1/5 1/8 1/10 1/12 1/15
角度 11.3° 7.1° 5.7° 4.7° 3.8°
高低差1m 長さ5m 長さ8m 長さ10m 長さ12m 長さ15m
高低差50cm 長さ2.5m 長さ4m 長さ5m 長さ6m 長さ7.5m
高低差30cm 長さ1.5m 長さ2.4m 長さ3m 長さ3.6m 長さ4.5m
高低差15cm 長さ0.75m 長さ1.2m 長さ1.5m 長さ1.8m 長さ2.25m

また、高低差と階段の段数の関係はこのぐらいです。

階段の段数(蹴上15cmぐらい)
高低差1m 6~7段
高低差50cm 3~4段
高低差30cm 2段
高低差15cm 1段

住宅用スロープ勾配のまとめ!

まとめると以下となります。

  • 住宅用スロープは勾配1/8・角度7.1°以下にしたい
  • 高低差が50cmぐらいなら、長さは4m以上ほしい
  • 高低差が30cmぐらいなら、長さは2.5m以上ほしい

住宅のスロープで歩くのが目的なら、この程度でもじゅうぶん!(だって1日数回しか使わないから)

ただし車いすを使うなら、もっと勾配をゆるくしたいです。逆に自転車を押しての上り下りなら、もっと急勾配でも大丈夫でしょう。


4.【車いす用に工夫】スロープを設計するポイントとは?

車いすに乗っている人

ここでのポイントは3つ
  • 車いす用スロープの設計ポイント
  • 舗装仕上げの設計ポイント
  • 車いす用スロープの施工例

車いす用スロープの設計ポイント

住宅用スロープと車椅子のイラスト

以下のように設計すると使いやすいです。

  • 【幅】120cm以上
  • 【勾配】1/12の以下
  • 【舗装】滑りにくい仕上げ
  • 【手すり】転落防止の柵にもなる

車いす自体の横幅は「60~70cm」ぐらいですが、なるべく幅広の方が使いやすいです。

また、勾配は1/12以下が理想ですが、戸建て住宅だと敷地が狭いので難しいでしょう。もし介助者が助けてくれるなら、もう少し勾配がきつくても大丈夫です(1/8までなら)。


舗装仕上げの設計ポイント

三協アルミの手すり「エトランポ」がある住宅スロープ三協アルミの手すり「エトランポ」がある住宅スロープ

以下のように仕上げると使いやすいです。

  • 滑りにくい仕上げ
  • 段差がなく平ら
  • 溝を作らない

車いすには少しの段差でも大きな障害になるので、なるべく1回で仕上げるのがポイントです。何度も継ぎはぎすると凸凹ができ、タイヤがはまって進まなくなります。

滑りにくい仕上げ舗装は、すでに上で解説しました。ここではよく使う「リンクストーン」の詳細ページを紹介しておきます。


リンクストーンの詳細はこちら ⏬

リンクストーンの施工例おしゃれ7選🤩【デメリットや施工方法も解説します】


車いす用スロープの施工例

車いす用スロープの施工例スロープ幅は1m弱

スロープに手すりがある施工例スロープに手すりがある施工例

玄関ポーチまでのアプローチに、まっすぐ施工したスロープです。

黒い手すりを設置し、舗装面はザラザラに仕上げて滑りにくくしました。幅は1m弱でやや狭いですが、戸建て住宅ならこれでも大きいぐらいです。

勾配は1/8ぐらいになっていて、やや急になっています。手すりを使えばひとりでも上れますが、降りるときは家族に手伝ってもらった方がいいでしょう。


この手すり付きスロープ施工例はこちら ⏬

手すりのある安心エクステリア工事👷【足の悪い方や車椅子の用の施工例】


5.【自転車やバイク用】階段とスロープを併設させよう!

階段に併設したスロープ階段に併設したスロープ

以下のように設計するのがコツです。

  • 【階段】併設する
  • 【幅】20cmもあればOK!
  • 【勾配】きつくても大丈夫!

いちばん大事なポイントは、階段に併設してつくることです。

自転車やバイクだけスロープを使い、人は階段を上るのが理想!なぜなら人もいっしょにスロープを使うと、かなり幅広のスロープを設計しないといけないからです。

自転車やバイク専用のスロープなら、タイヤ1本ぶんの幅があればじゅうぶんでしょう。手すりも邪魔になるので必要ありません。


上画像のスロープ施工例はこちら ⏬

ディーズガーデン物置がある施工例👷【パーゴラテラスを作った庭工事です】


庭へ続くスロープの施工例

階段とスロープを施工し庭へとつながる通路階段とスロープを施工し庭へとつながる通路

庭へ上るためにつくったスロープの施工例です。

このスロープは完全に自転車専用で、勾配がきつく幅も狭くなっています。しかし子供が自転車を庭へ置くなら、まったく問題ありません

庭に物置を設置してその中へしまえば、盗難の心配もなくなります。


上画像のスロープ施工例はこちら ⏬

こだわり板の門まわりエクステリア工事👷【シックなデザインの施工例です】


6.【後付けDIY】階段をスロープにする方法(簡易的!)

玄関ポーチまでスロープを後付けした写真玄関ポーチまでスロープを後付けした写真

後付けスロープとは、工事したスロープではなく、取り外しできるスロープのことです。

いろんなタイプが販売されていて、おすすめは以下のようなタイプ。

  • 軽いアルミ製
  • 折りたたみできる
  • 滑り止め加工があるもの

DIYでもかんたんに設置でき、使わないときはしまっておけるのがメリットです。


こんなアイテムに大活躍!

後付けスロープを使おうとしている車いす後付けスロープを使おうとしている車いす

以下のようなアイテムに使います。

  • 車いす
  • バイク
  • 自転車
  • 電動自転車
  • 福祉車両への乗り降り

バイクや自転車はタイヤが狭いので、1本の狭いスロープでOK!車いすなら、幅広1本か2本のスロープを使います。


7.【手すり】スロープを作るなら屋外用手すりは必須!

三協アルミの手すり「エトランポ」がある住宅スロープ三協アルミの手すり「エトランポ」がある住宅スロープ

玄関スロープの作り方🤔【階段をスロープにする方法×後付けDIYも解説】

自転車やバイクだけの上り下りなら、手すりは邪魔なので必要ありません。

それ以外の目的なら、安全のため手すりは設置しましょう!


ここでのポイントは3つ
  • 手すり付きのL型スロープ
  • ウッドデッキスロープに手すり
  • 屋外用手すりを工事するヒントとは?

手すり付きのL型スロープ

スロープと屋外用手すりスロープと屋外用手すり

玄関ポーチまでのアプローチに、L型に施工した手すり付きスロープです。

スロープのをつくるコツは、舗装面に滑らない素材を使うこと。ここでは「リンクストーン」という樹脂舗装を使用し、おしゃれな見た目にできるのがメリットです。

このアプローチは駐車場に面していて、そこから車椅子でも楽に上がれるように設計しました。


この手すり付きスロープ施工例はこちら ⏬

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ウッドデッキスロープに手すり

手すりのついたウッドデッキスロープ手すりのついたウッドデッキスロープ

庭のウッドデッキにスロープをつけた画像です(三協アルミのひとと木)。

玄関から始まったスロープは、庭のウッドデッキまでつながっています。車椅子でもスイスイのぼれる幅に、設計されているのが特徴です。

また、ケガした後のリハビリ用にも使え、距離のあるスロープならいい運動になります


このウッドデッキのスロープ詳細はこちら ⏬

ウッドデッキの階段で段差解消👍【後付けステップやスロープでも代用できます】


屋外用手すりを工事するヒントとは?

玄関スロープの作り方🤔【階段をスロープにする方法×後付けDIYも解説】

屋外用手すりは安全のために設置した方がよく、将来のことも考え新築時に工事するのがおすすめです。

しかし「おしゃれな屋外手すりってどんな種類?」「DIYできる屋外手すりってあるの?」「玄関ポーチにおすすめの手すりは何?」「屋外の階段につけるおすすめの手すりは?」「置き型の手すりってかんたんに設置できるの?」などとすごく悩むでしょう。

そこで紹介する記事では、手すり工事歴20年のプロが、屋外用手すりのヒントを解説します。手すりが必要な条件や高さも、ちゃんと紹介するつもりです。


屋外用手すりの詳細はこちら ⏬

屋外の玄関手すり工事ヒント12選🤩【外階段への後付けや設置費用も解説!】


まとめ

この記事では、玄関 ⇄ 階段スロープを上手に工事するヒントを紹介しました。いかがだったでしょうか?

狭い玄関や階段じゃなければ、屋外用スロープをつくっておくと生活がしやすくなります。高齢者用なら手すりをつければ安心して歩行でき、勾配が緩やかなら車いすだって楽チンです!


子育て世代なら、ベビーカーや自転車用にスロープがあると便利です。

リフォームすると費用がかかるので、とりあえず後付けスロープならDIYでも簡単ですよ!



すぐ下の関連ページで「屋外用手すりの工事ヒント・外構リフォームの施工例・玄関アプローチ」を解説したページリンクを貼っておきます。

興味のある方はぜひご覧になってください😊


このページを読んだ人はこちらもオススメ!

以上、玄関スロープの作り方🤔【階段をスロープにする方法×後付けDIYも解説】…という話題でした。

更新:2024年07月03日|公開:2023年02月04日


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