玄関スロープの作り方🤔【階段をスロープにする方法×後付けDIYも解説】
【更新日】2024.07.03.
あなたの家庭の安全は、常に心に重くのしかかる問題です。とくに屋外のスロープの設計は、転倒や怪我のリスクを伴います。この不安を解消するため、あなたはどう対処しますか?
この記事ではそんな不安を一掃するため、スロープの設計から安全な使用方法まで詳しく解説します。また、施工のコツやおしゃれな実例も豊富に紹介するつもりです。
最後まで読み進めることで、家族全員が安心して使えるスロープが、どのようにして実現できるか明確になりますよ😊
このページの内容
当社クローバーガーデンは、埼玉県で営業する「外構と庭工事の専門会社」です。年間60件ほどの工事を行い、今までたくさんのお客さまにご満足いただきました。
わたしたちは、施工とデザインにおいて高い専門知識と技術を持ち、お客さまの理想とする家づくりをお手伝いしています。家の外まわりならすべて工事でき、庭木の植栽や芝張りまで幅広く対応できる業者です。
玄関 ⇄ 階段のスロープとは?
スロープとは、日本語の「傾斜・斜面」という意味で、バリアフリー用につくる通路のことです。
屋外ではおもに「玄関ポーチからアプローチ」にかけて作ることが多く、階段の代わりに利用します。アプローチが広ければ、階段の隣に併設することもあり、両方あると生活がより便利です。
また「階段の上り下りが大変なので、緩やかなスロープをつくって欲しい」という、リフォーム工事の問い合わせも増えています。だれだって年をとると、ちょっとの段差でも危険ですからね。
【3つ】玄関にスロープがあるデメリット
- 階段が狭くなる
- 距離がないと勾配がきつくなる
- 勾配がきついと転びやすくなる
スロープの使い方にもよりますが、ある程度広い場所がないとスロープは作れません。
幅が狭くて急勾配のスロープは逆に危険で、転んでケガをする可能性が高まります。ゆったり使えるスロープが作れないなら、計画しないほうがいいかもしれません...
【5つ】玄関にスロープがあるメリット(得られる恩恵)
- つまづき転倒がなくなる
- 外に出かけるようになる
- 車椅子の上り下りがしやすい
- 小さい子供でも自分で歩ける
- タイヤ付きアイテムが移動しやすい
高齢者にとってのメリット
車椅子はすごく重いので、楽に上り下りができるのがいちばんのメリットです。
段差がないのでスムーズに歩け、階段のようにつまずいて転ぶことも減ります。外出の機会が増えれば、ストレス発散にもなるでしょう。
子育て世代にとってのメリット
子育て世代にもメリットはたくさんあり、ベビーカー・自転車・買い物カートなどの移動が楽です。
また、小さい子供を抱っこして階段を登るのは大変!そこでスロープがあれば、子供は面白がって自分で歩くようになります。
【コツ7選】玄関 ⇄ 階段のスロープのおしゃれな作り方 ⭐
ここからは、外構工事歴20年以上のプロが、屋外用スロープの工事で失敗しないコツを解説します。
スロープは幅広でゆったり作るのがコツです。
舗装面は滑りにくい素材で仕上げ、そこに手すりをつければ完璧ですよ!
1.【どっちがいい?】バリアフリーにはスロープ or 階段?
わたしの個人的な意見は以下。
勾配が緩ければスロープ!
ネットでいろいろ調べてみたところ、「どっちがいいか?」はその人によって意見が違います。このページ(≫同じところへ登る場合に階段とスロープどちらが楽ですか。)が参考になるのでどうぞ。
勾配がきついと足首に負担がかかるので、段差が低い階段なら歩くほうが楽です。逆に勾配が緩ければ足首に負担がかからないので、スロープの方が歩きやすいでしょう。
【結論】広ければ両方つくろう!
結局、両方あった方が生活しやすくなるので、敷地に余裕があれば併設するのがおすすめ!
上画像は、スロープと階段の両方がある施工例です。奥まった場所に門柱が作れたので、広々したアプローチに両方施工できました。石張り仕上げがおしゃれです。
狭い敷地なら「踊り場」をつくって、距離をかせぐ工夫をするといいでしょう。
上画像のおしゃれな施工例はこちら ⏬
ディーズガーデン物置がある施工例👷【パーゴラテラスを作った庭工事です】
2.【作り方のコツ】基準となる幅・滑り止めの舗装を紹介
スロープづくりには、いくつか抑えておくべきポイントがあります。
ここでは、スロープ幅と舗装仕上げの紹介です。
バリアフリー法にある基準幅はどのくらい?
国土交通省が定めるバリアフリー法には、スロープ幅の基準が記載されています。
- 【建築物移動等円滑化基準】スロープ幅は120cm以上
- 【建築物移動等円滑化誘導基準】スロープ幅は150cm以上
建築物移動等円滑化基準とは「最低限のレベル」で、建築物移動等円滑化誘導基準とは「望ましいレベル」のことです。
しかし上記は公共施設の建築物(病院・老人ホーム・学校など)が対象なので、戸建て住宅には当てはまりません。参考ページ:≫バリアフリー法
戸建て住宅なら、敷地の広さに合わせフレキシブルに幅を決めるのがいいでしょう。使う目的によっても幅は違うので、あとで個別の幅を解説します。
滑り止め仕上げの舗装がおすすめ!
なぜなら、傾斜があると滑りやすいので、滑り止めがあると安全だからです。
屋外スロープの舗装仕上げには、以下のような方法があります。
- 洗い出し仕上げにする
- コンクリート表面に凸凹をつける
- コンクリート表面をハケでザラザラにする
当社では1と3で仕上げることが多く、洗い出し仕上げには「リンクストーン」という材料をよく使います。
ほかには、滑り止め塗料・滑り止めマット・滑り止めシートなどもあり、これらはDIYでも後付けできるのがメリットです。
洗い出し仕上げの詳細はこちら ⏬
洗い出し仕上げのコンクリートおしゃれ4種類🤩【舗装のデメリットも解説します】
3.【勾配・角度】スロープの勾配を計算する方法
- バリアフリー法にある基準勾配はどのくらい?
- 住宅用スロープの勾配計算の方法
- 住宅用スロープ勾配のまとめ!
バリアフリー法にある基準勾配はどのくらい?
国土交通省が定めるバリアフリー法には、スロープ勾配の基準が記載されています。
- 【建築物移動等円滑化基準】スロープ勾配は1/12以下
- 【建築物移動等円滑化誘導基準】スロープ勾配は1/12以下(屋外は1/15以下)
建築物移動等円滑化基準とは「最低限のレベル」で、建築物移動等円滑化誘導基準とは「望ましいレベル」のことです。
しかし上記は公共施設の建築物(病院・老人ホーム・学校など)が対象なので、戸建て住宅には当てはまりません。参考ページ:≫バリアフリー法
戸建て住宅では敷地が限られているため、この基準で作るのは難しいでしょう。敷地からはみ出ないようにし、距離と高低差で勾配を決めるのが一般的です。
住宅用スロープの勾配計算の方法
以下が勾配計算の早見表です。
勾配 | 1/5 | 1/8 | 1/10 | 1/12 | 1/15 |
---|---|---|---|---|---|
角度 | 11.3° | 7.1° | 5.7° | 4.7° | 3.8° |
高低差1m | 長さ5m | 長さ8m | 長さ10m | 長さ12m | 長さ15m |
高低差50cm | 長さ2.5m | 長さ4m | 長さ5m | 長さ6m | 長さ7.5m |
高低差30cm | 長さ1.5m | 長さ2.4m | 長さ3m | 長さ3.6m | 長さ4.5m |
高低差15cm | 長さ0.75m | 長さ1.2m | 長さ1.5m | 長さ1.8m | 長さ2.25m |
また、高低差と階段の段数の関係はこのぐらいです。
階段の段数(蹴上15cmぐらい) | |
---|---|
高低差1m | 6~7段 |
高低差50cm | 3~4段 |
高低差30cm | 2段 |
高低差15cm | 1段 |
住宅用スロープ勾配のまとめ!
まとめると以下となります。
- 住宅用スロープは勾配1/8・角度7.1°以下にしたい
- 高低差が50cmぐらいなら、長さは4m以上ほしい
- 高低差が30cmぐらいなら、長さは2.5m以上ほしい
住宅のスロープで歩くのが目的なら、この程度でもじゅうぶん!(だって1日数回しか使わないから)
ただし車いすを使うなら、もっと勾配をゆるくしたいです。逆に自転車を押しての上り下りなら、もっと急勾配でも大丈夫でしょう。
4.【車いす用に工夫】スロープを設計するポイントとは?
- 車いす用スロープの設計ポイント
- 舗装仕上げの設計ポイント
- 車いす用スロープの施工例
車いす用スロープの設計ポイント
以下のように設計すると使いやすいです。
- 【幅】120cm以上
- 【勾配】1/12の以下
- 【舗装】滑りにくい仕上げ
- 【手すり】転落防止の柵にもなる
車いす自体の横幅は「60~70cm」ぐらいですが、なるべく幅広の方が使いやすいです。
また、勾配は1/12以下が理想ですが、戸建て住宅だと敷地が狭いので難しいでしょう。もし介助者が助けてくれるなら、もう少し勾配がきつくても大丈夫です(1/8までなら)。
舗装仕上げの設計ポイント
以下のように仕上げると使いやすいです。
- 滑りにくい仕上げ
- 段差がなく平ら
- 溝を作らない
車いすには少しの段差でも大きな障害になるので、なるべく1回で仕上げるのがポイントです。何度も継ぎはぎすると凸凹ができ、タイヤがはまって進まなくなります。
滑りにくい仕上げ舗装は、すでに上で解説しました。ここではよく使う「リンクストーン」の詳細ページを紹介しておきます。
リンクストーンの詳細はこちら ⏬
リンクストーンの施工例おしゃれ7選🤩【デメリットや施工方法も解説します】
車いす用スロープの施工例
玄関ポーチまでのアプローチに、まっすぐ施工したスロープです。
黒い手すりを設置し、舗装面はザラザラに仕上げて滑りにくくしました。幅は1m弱でやや狭いですが、戸建て住宅ならこれでも大きいぐらいです。
勾配は1/8ぐらいになっていて、やや急になっています。手すりを使えばひとりでも上れますが、降りるときは家族に手伝ってもらった方がいいでしょう。
この手すり付きスロープ施工例はこちら ⏬
手すりのある安心エクステリア工事👷【足の悪い方や車椅子の用の施工例】
5.【自転車やバイク用】階段とスロープを併設させよう!
以下のように設計するのがコツです。
- 【階段】併設する
- 【幅】20cmもあればOK!
- 【勾配】きつくても大丈夫!
いちばん大事なポイントは、階段に併設してつくることです。
自転車やバイクだけスロープを使い、人は階段を上るのが理想!なぜなら人もいっしょにスロープを使うと、かなり幅広のスロープを設計しないといけないからです。
自転車やバイク専用のスロープなら、タイヤ1本ぶんの幅があればじゅうぶんでしょう。手すりも邪魔になるので必要ありません。
上画像のスロープ施工例はこちら ⏬
ディーズガーデン物置がある施工例👷【パーゴラテラスを作った庭工事です】
庭へ続くスロープの施工例
庭へ上るためにつくったスロープの施工例です。
このスロープは完全に自転車専用で、勾配がきつく幅も狭くなっています。しかし子供が自転車を庭へ置くなら、まったく問題ありません。
庭に物置を設置してその中へしまえば、盗難の心配もなくなります。
上画像のスロープ施工例はこちら ⏬
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6.【後付けDIY】階段をスロープにする方法(簡易的!)
後付けスロープとは、工事したスロープではなく、取り外しできるスロープのことです。
いろんなタイプが販売されていて、おすすめは以下のようなタイプ。
- 軽いアルミ製
- 折りたたみできる
- 滑り止め加工があるもの
DIYでもかんたんに設置でき、使わないときはしまっておけるのがメリットです。
こんなアイテムに大活躍!
以下のようなアイテムに使います。
- 車いす
- バイク
- 自転車
- 電動自転車
- 福祉車両への乗り降り
バイクや自転車はタイヤが狭いので、1本の狭いスロープでOK!車いすなら、幅広1本か2本のスロープを使います。
7.【手すり】スロープを作るなら屋外用手すりは必須!
自転車やバイクだけの上り下りなら、手すりは邪魔なので必要ありません。
それ以外の目的なら、安全のため手すりは設置しましょう!
- 手すり付きのL型スロープ
- ウッドデッキスロープに手すり
- 屋外用手すりを工事するヒントとは?
手すり付きのL型スロープ
玄関ポーチまでのアプローチに、L型に施工した手すり付きスロープです。
スロープのをつくるコツは、舗装面に滑らない素材を使うこと。ここでは「リンクストーン」という樹脂舗装を使用し、おしゃれな見た目にできるのがメリットです。
このアプローチは駐車場に面していて、そこから車椅子でも楽に上がれるように設計しました。
この手すり付きスロープ施工例はこちら ⏬
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ウッドデッキスロープに手すり
庭のウッドデッキにスロープをつけた画像です(三協アルミのひとと木)。
玄関から始まったスロープは、庭のウッドデッキまでつながっています。車椅子でもスイスイのぼれる幅に、設計されているのが特徴です。
また、ケガした後のリハビリ用にも使え、距離のあるスロープならいい運動になります。
このウッドデッキのスロープ詳細はこちら ⏬
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屋外用手すりを工事するヒントとは?
屋外用手すりは安全のために設置した方がよく、将来のことも考え新築時に工事するのがおすすめです。
しかし「おしゃれな屋外手すりってどんな種類?」「DIYできる屋外手すりってあるの?」「玄関ポーチにおすすめの手すりは何?」「屋外の階段につけるおすすめの手すりは?」「置き型の手すりってかんたんに設置できるの?」などとすごく悩むでしょう。
そこで紹介する記事では、手すり工事歴20年のプロが、屋外用手すりのヒントを解説します。手すりが必要な条件や高さも、ちゃんと紹介するつもりです。
屋外用手すりの詳細はこちら ⏬
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まとめ
この記事では、玄関 ⇄ 階段スロープを上手に工事するヒントを紹介しました。いかがだったでしょうか?
狭い玄関や階段じゃなければ、屋外用スロープをつくっておくと生活がしやすくなります。高齢者用なら手すりをつければ安心して歩行でき、勾配が緩やかなら車いすだって楽チンです!
子育て世代なら、ベビーカーや自転車用にスロープがあると便利です。
リフォームすると費用がかかるので、とりあえず後付けスロープならDIYでも簡単ですよ!
すぐ下の関連ページで「屋外用手すりの工事ヒント・外構リフォームの施工例・玄関アプローチ」を解説したページリンクを貼っておきます。
興味のある方はぜひご覧になってください😊
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以上、玄関スロープの作り方🤔【階段をスロープにする方法×後付けDIYも解説】…という話題でした。
更新:2024年07月03日|公開:2023年02月04日