椿を庭に植えてはいけない理由5選😱【メリットも5つ解説】
【更新日】2024.04.01.
椿はその美しい花と光沢のある葉で知られ、多くの人々を魅了してきた庭木です。しかし、この魅力的な木を庭に植えるには、考慮すべきデメリットが存在します。たとえば落ちた花の掃除が大変、花の咲かない時期は寂しいなど...
そこでこの記事では、庭に植える際のメリットとデメリットをバランス良く解説。
読み進めることで、なぜ庭に植えてはいけないかが分かり、庭木として植えたあとの美しい庭がイメージできるでしょう😊
それでは、ひとつずつ解説していきます。
この記事のライター(信頼性の担保)
菅間 勇 2級建築士・2級建築施工管理技士・甲種危険物取扱者
埼玉県生まれ。東京農業大学、大宮建設高等職業訓練校卒。高校からアルバイトで外構と庭の仕事をはじめ、現場経験は20年以上。
子どもとチェスをこよなく愛す、3児の父親。
当社クローバーガーデンは埼玉県の「外構と庭工事専門会社」です。
毎年60件以上の外構工事を行い、庭木の植栽も行っています。
1.【5選】椿を庭に植えてはいけない理由
椿はその美しい花と光沢のある葉で知られる人気のある庭木ですが、椿を庭に植えることには考慮すべきいくつかの問題点があります。
ここでは、椿を庭に植えるときのデメリットを5つ挙げ、それぞれについて解説します。
1.植え場所による問題点
椿は半日陰から日陰の場所を好みますが、適切な光の条件を満たすことが難しいです。直射日光が当たる場所に椿を植えると、葉が焼けてしまうリスクがあります。
また、根系が広がるため、建物の基礎や水道管などの近くに植えると、その成長によって構造的な問題を引き起こす可能性があります。適切な場所選びは、椿を健康に成長させるために非常に重要です。
2.病害虫のリスク
椿は病害虫に弱い側面があり、とくにカイガラムシやアブラムシなどの害虫による被害を受けやすいです。これらの害虫は椿の葉や枝に取り付き、植物の体液を吸い取ることで成長を阻害します。
また、カビの一種である黒点病も椿にとって一般的な問題です。これらの病害虫や病気は、椿の美観を損ない、場合によっては植物を枯死させる原因となります。
3.落葉と掃除の手間
椿は常緑樹ですが、季節の変わり目には古い葉を落とします。これらの落葉は、定期的に掃除する必要があり、とくに大きな椿の木ではその手間は無視できません。
また、椿の花も美しいですが、散った後の花弁を拾うのもまた大変!庭が常にきれいに保ちたいなら、椿の落葉や散花の掃除は、大きな負担となることがあります。
4.成長速度と管理
椿は成長速度が比較的遅い木ですが、長期間にわたって成長し続けると、かなりの大きさに成長します。
適切な剪定や管理を行わなければ、予想以上に大きくなるでしょう。他の植物への日照の遮蔽や、庭のレイアウトを圧迫する原因となります。
また、剪定には技術が必要であり、適切に行わないと、植物の健康や形状に悪影響を及ぼすのがデメリットです。
5.季節による観賞価値の変動
椿の花は冬から春にかけて咲くため、この期間は庭が鮮やかに彩られます。しかし、花が咲かない季節には、他の花木に比べて観賞価値が低下するのがデメリット。
常緑樹であるため年間を通じて緑は保たれますが、花が主な魅力である場合、一年の大部分を鑑賞の主役として期待することは難しいかもしれません。
椿を庭に植えるには、上のデメリットへの理解が必要です。
これらの課題に対処する準備があれば、椿は庭を彩る美しい鑑賞物になるでしょう。
2.【5つ】椿の魅力と庭に植えるメリット
1.【シンボルツリーにおすすめ】日本発祥の代表的な花木
- シンボルツリーに使える常緑樹
- 樹木の特徴(生垣にも使える常緑樹)
- 葉っぱの特徴(つややかで美しい)
- 実の特徴(効果のある椿油がとれる)
シンボルツリーに使える常緑樹
ツバキはシンボルツリーとしておすすめの庭木です。
理由は、晩秋から翌年の春まで長い期間花が楽しめ、庭がさびしい時期も華やかな雰囲気にしてくれる貴重な庭木だからです。
玄関脇などに円筒形で仕立てれば、おしゃれなシンボルツリーとして活躍してくれます。また、日陰にもある程度強いので、裏庭や坪庭などへの植栽も可能です。
- 樹高:2~8m
- 花色:赤、黄、白
- 開花期:11~5月
- 果実色:茶
- 果実熟期:10月
- 用途:シンボルツリー、庭木、生垣、切り花
シンボルツリーとしてものすごく人気のあるヒメシャラは、ツバキとよく似た花を咲かせます。
ヒメシャラ株立ちは紅葉が美しい庭木🌳【剪定と育て方のコツも解説します】
樹木の特徴(生垣にも使える常緑樹)
ツバキは樹高2~8mほどの常緑低木~高木樹です。
幹は直立し四方八方によく分枝します。樹勢が強く刈り込みにも耐えるので、自由に仕立てられます。
ナチュラルガーデンにはしっとりした雰囲気の品種がよく似合い、小型のワビスケ・可憐な乙女椿・原種系の一重咲きなどがおすすです。
またツバキは常緑樹なので、生け垣にもよく使われます。強い刈り込みにも耐えるので、小さめに刈り込んで横に並べてることが多いです。
葉っぱの特徴(つややかで美しい)
葉っぱは革質で固く、光沢がありやや厚いです。光沢がありツヤツヤしています。
葉表は光沢のある濃緑色で、葉裏は淡緑色です。互生し長さは5~10cm、形は長楕円形〜紡錘形。両面とも毛が無く、先端が尾状にとがります。縁には細かいギザギザ(鋸歯)があります。
ただし常緑樹とはいえ、葉っぱが入れ替わる時期には葉が落ちます(一度に全部は落ちません)。常緑樹なので紅葉はしません。
実の特徴(効果のある椿油がとれる)
果実は10月ごろに熟し、熟すと3つに裂けて暗褐色の種子が出てきます(さく果)。直径は2cm。
もし実がたくさんなったら、椿油づくりにチャレンジしてみましょう!椿油には、以下の効果があるようです。
- 美肌効果
- ダイエット効果
- 髪をきれいに保つ
資生堂から販売されている「ツバキシャンプー」にも、椿オイルが使われているようです。髪の美しい女性タレントが、CMに登場していたのを思い出します...
2.【美しい花が咲く】開花時期+花が咲かないときは?
- 晩秋から春にかけて花が咲く
- 花の特徴(花がまるごと落ちる)
- 花が咲かないときの対処法は?
晩秋から春にかけて花が咲く
ツバキの花は、11〜5月の晩秋から春にかけて咲きます。色は赤、黄、白。
長い期間花が楽しめる珍しい庭木で、雪がたくさん降る地域でも元気に育ってくれます。まん丸の大輪の花が美しく、昔から愛されている東洋の名花です。
花の形も多種多様で、一重咲き・八重咲き・絞り模様・斑入り・覆輪系があり選ぶのが難しいほど...いずれも株いっぱいに花が咲きます。
花の特徴(花がまるごと落ちる)
花の大きさは4~10cmほどで、枝先に1~2個つきます。
基本種は5枚の花びらが基部でくっついて、平らに開きません(半開状)。だたし、ユキツバキの花は平らに開きます。
雄しべの下半分がくっついていて筒状になり、花びらの基部ともくっついているのが特徴。そのため花が落ちるときは、花首からまるまるぽとりと落ちます。
花が咲かないときの対処法は?
剪定で注意して欲しいのは、花芽をまちがって切ってしまうことです。
ツバキは、今年伸びた枝の頂芽が花芽になります(6~7月ごろ)。それが翌年の晩秋に開花するので、花芽を見つけたらなるべく残しながら剪定してください。
また、植えたばかりのツバキだと花が咲かない場合もあるので、気長に数年様子を見ましょう。それと、基本的な育て方を実践してみてください(あとでまとめて解説)。
つぼみはつくのに、花が咲かない原因ときは?
つぼみはつくのに花が咲かないのは、根が乾燥しているのが原因。
ツバキは細根がたくさん出る性質があり、その根が根詰まりを起こし水が吸収できないからです。そこで根元をぐるっと一周溝を掘って、根詰まりしている根を切ります。
そこにたっぷり肥料を入れてやれば、多くのつぼみが花を咲かせることでしょう。ぜひ試してみてください!
3.【2000種類以上ある】見分け方がわかる一覧を紹介
ツバキは園芸品種が豊富なことで有名で、その数なんと2000種類以上!
日本原産でツバキの原種「ヤブツバキ」と「ユキツバキ」が園芸品種の基本種です。今では花木として世界中で栽培されていて、外国で品種改良された大輪の「洋種ツバキ」もたくさん出回っています。
日本に広く自生するヤブツバキ系のツバキは、和風の庭におすすめ!「大輪の八重咲き種」は華やかなので、洋風の庭に植えるといいでしょう。
【7つのカテゴリー】見分け方がわかる一覧を紹介
すべてのツバキは、残念ながら紹介できません。
そこで7つのカテゴリーに分けて、おすすめの63品種だけ紹介します。
- 白色系
- 赤色系
- 桃色系
- 黄色系
- 絞り系
- 覆輪系
- 斑入り葉系
それでは、順番に紹介していきます。
1.白色系
- 椿笑錦魚(ちんしょうきんぎょ):明るい葉を持つ
- 白侘助(しろわびすけ):一重咲きの香り椿
- 袖隠(そでかくし):八重咲きで大輪
- 梵天白(ぼんてんじろ):一重咲きで大輪
- 細雪(ささめゆき):一重咲きで極小輪
- 白孔雀:八重咲きで枝が垂れる
- 天の川:八重咲き
- ポップコーン:八重咲き
- カメリア・ルチェンシス(姫サザンカ):一重咲き
- ダッチェス オブ サザーランド:八重咲きで大輪
2.赤色系
- 紅乙女:強健で育てやすい
- 黒侘助(くろわびすけ):暗紅色で一重咲き
- 紅侘助:一重咲きで小輪
- 赤侘助:一重咲きで中輪/li>
- 赤腰蓑(あかこしみの):唐子咲き
- 明石潟(あかしがた):八重咲きで大輪
- 松笠:八重咲きで小輪
- ナイトライダー:黒味をおびた赤花
- ギガンテア:白斑入りで八重咲き大輪
- ファイヤーフォールズ:アメリカで作られた
3.桃色系
- 乙女:雪椿系
- 西王母(せいおうぼ):加賀の名花
- 春風:香り椿
- 太郎冠者(有楽):茶花の名花
- 桃太郎:八重咲きで大輪
- 胡蝶侘助(こちょうわびすけ):白斑入りで一重咲き
- 明日香:八重咲きで大輪
- スイートハート
- ドロシーエリス
- ハワイ
4.黄色系
- 初黄(しょこう):一重咲きで小輪
- 金花茶(きんちゃか):八重咲きで小輪
- 黄鳳:一重咲きで小輪
- 頂生金花茶(ちょうせいきんかちゃ):一重咲きで小輪
- 黄基(きのもと):八重咲きで中輪
- 新世紀
- ハネムーン:八重咲きで中輪
- ブラッシュフィールズ・イエロー
- バターミント
- クエフォンエンシス
5.絞り系
- 蝦夷錦(えぞにしき):白~淡桃色の花
- 百路の日暮(ももじのひぐらし):八重咲きで中輪
- 吾妻絞(あずましぼり):一重咲きで中輪
- 岩根絞(いわねしぼり):八重咲きで大輪
- 絞初嵐:一重咲きで中輪
- 佐渡紅覆輪:八重咲きで大輪
- 絵日傘:八重咲きで中輪
- イカリ絞:八重咲きで中輪
- 桐谷絞り
- 津川絞り
6.覆輪系
- 光源氏:江戸椿の代表的な品種
- 玉の浦:赤花で白覆輪
- 覆輪侘助:一重咲きの香り椿
- 覆輪春の台(はるのうてな):八重咲きで大輪
- 王冠:一重咲きで大輪
- 越の麗人(こしのれいじん):八重咲きで中輪
- 住之江(すみのえ):一重咲きで小輪
- ルックアウェイ:幅広い白覆輪
- マーガレット・デイビス:白地に紅覆輪が入る
- タマアメリカーナ:白覆輪で八重咲き
7.斑入り葉系
- 越の吹雪
- 弁天神楽(べんてんかぐら)
- 麗山峰
ツバキの葉の色が暗すぎると思う人は、ぜひ斑入りを植えてください。暗い庭でも、明るい雰囲気にしてくれますよ。
4.【茶花として室内に飾れる】わびさびの風情がおしゃれ
ツバキは茶花(ちゃばな)として昔から利用されています。
茶花とは生け花の一種で、摘んだ花を加工せずそのままの形で楽しむ飾り方です。ツバキは茶花の代表的な花です。
茶花としては「侘助(わびすけ)」がよく使われます。なぜなら、小輪で一重咲き種が多く、その姿形が繊細で風情があるからです。
ただし、茶花は難しく考える必要はありません。庭に咲いたツバキを、和風の花瓶に生けるだけです。ツバキの花は丈夫なので、長いあいだ部屋の中を彩ってくれます。
5.【手入れが楽な庭木】日本原産なので育てやすい
ツバキは性質が強く、庭木初心者でも育てやすい樹木です。
その理由はツバキが日本原産で、日本の気候風土に適応した樹木だからです。昔は農家ならどこでもツバキが植えられていました。
強い剪定(刈り込み)にも耐えられ、素人が剪定しても枯れる心配は少ないです。
また、生垣にも使われることが多く、「花の咲く目隠し」の生垣として使われてきました。半日陰でも植えられるので、日があまり当たらない場所へ植えられる貴重な庭木です。
まとめ
この記事では、椿のメリットとデメリットを紹介しました。いかがだったでしょうか?
ツバキは花が美しいのが魅力で、初心者にも育てやすい庭木です。園芸品種が2000種類以上もあるので、あなたにぴったりの品種を見つけましょう!(大変だけど...)
ツバキは葉っぱも美しい常緑樹です。
目隠し用の生垣にも使え、花が咲く生垣としては珍しいですよ!
すぐ下の関連ページで「植えてはいけないシリーズ・植えてはいけない庭木2つ」を解説したページリンクを貼っておきます。
興味のある方はぜひご覧になってください😊
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以上、椿を庭に植えてはいけない理由5選😱【メリットも5つ解説】…という話題でした。
更新:2024年04月01日|公開:2024年04月01日
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