ツツジを庭に植えてはいけない理由・デメリット5選😱【メリットも5つ解説】
【更新日】2024.04.09.
ツツジが持つ魅力とは、その色鮮やかな花々、庭を彩る多様な品種、そして季節ごとに変わる景色です。しかし、その美しさの裏には、知っておくべき注意点もあります。たとえば毒を持つ品種がある、乾燥に弱い性質があるなど...
そこでこの記事では、庭に植える際のメリットとデメリットをバランス良く解説。
読み進めることで、なぜ庭に植えてはいけないかが分かり、庭木として植えたあとの美しい庭がイメージできるでしょう😊
それでは、ひとつずつ解説していきます。
この記事のライター(信頼性の担保)
菅間 勇 2級建築士・2級建築施工管理技士・甲種危険物取扱者
埼玉県生まれ。東京農業大学、大宮建設高等職業訓練校卒。高校からアルバイトで外構と庭の仕事をはじめ、現場経験は20年以上。
子どもとチェスをこよなく愛す、3児の父親。
当社クローバーガーデンは埼玉県の「外構と庭工事専門会社」です。
毎年60件以上の外構工事を行い、庭木の植栽も行っています。
1.【5選】ツツジを庭に植えてはいけない理由
以下では、ツツジを庭に植えることを避けるべき理由を5つ挙げ、それぞれについて詳しく解説します。
1.甘い蜜に毒がある品種もある
ツツジには、その美しい花や葉を見るだけでなく、蜜を求めてやって来る昆虫や鳥への魅力もあります。しかし、ツツジの中には毒を含む品種が存在し、これが人間やペットにとって危険です。
とくに、シャクナゲ類(ツツジの一種)は、その葉や花に有毒成分を含んでいます。誤って摂取すると嘔吐や下痢、重度の場合は心臓への影響など、健康被害を引き起こす可能性があるので注意してください。
参考資料:自然毒のリスクプロファイル:高等植物:シャクナゲ類
2.縁起が悪いという噂もある
一部の地域や文化では、ツツジが縁起の悪い植物とされることもあります。これは、ツツジが墓地や追悼の場で、よく用いられることに由来するのでしょう。
このような背景から、ツツジを家の庭に植えることは、不吉な象徴として避けられる地域が存在します。
3.酸性土壌の条件を要求する
ツツジは生育に適した環境として、酸性の土壌を好みます。この条件を満たすためには、土壌のpH値を定期的にチェックし、適切な土壌改良材を加えて、酸性度を保つ必要があり大変です。
このような手間は、とくに土壌がもともとアルカリ性である地域において、大きな負担となり得ます。
4.根が浅く乾燥に弱い性質
ツツジの根は比較的浅く広がる傾向にあり、これが乾燥に弱い原因です。乾燥した土壌条件下では、ツツジは水分を十分に吸収できず、葉が黄色くなったり枯れたりするなど、ストレス反応を示すことがあります。
したがって、定期的な水やりや、適切なマルチングで土壌の湿度を保つことが必要です。これが、めんどくさいと感じる人もいるかもしれません。
5.病害虫の被害を受けやすい
ツツジには病害虫が多く発生します。日当たりと風通しが悪くならないよう注意しましょう。
とくに注意したいのが「ベニモンアオリンガ」で、秋に発生すると蕾が食害されて翌年花が咲かなくなります。9~10月に殺虫剤で防除します。
そのほかの主な害虫は「ツツジグンバイ・ハダニ・テッポウムシ」、病気は「うどん粉病・もち病」などです。うどん粉病は、若い葉や茎の表面にうどん粉をまぶしたように白いかびが生えます。もち病は、新葉に小さな膨らみができ、病気が進むと何倍もの大きさに肥大化し白い粉が生じます。
上のような理由から、植える場所や方法を慎重に選ぶ必要があります。
ツツジの美しさを最大限に引き出し、かつ管理が容易な品種を選ぶこと、適切な場所を選び、病害虫や乾燥に対する予防措置を講じることが重要です。
2.【5つ】ツツジの魅力と庭に植えるメリット
1.【シンボルツリーにおすすめ】日本の春を代表する花木
ツツジはシンボルツリーとしておすすめの庭木です。
柔らかい雰囲気で色とりどりの花色がある樹木で、大きくなる種類でも3mとコンパクトに維持できます。樹高0.3~4mほどの常緑あるいは落葉低木樹です。
低木なので大きなシンボルツリーと一緒に植えても、上品な名脇役として活躍するでしょう。
- 樹高:0.3~4m
- 葉張り(樹冠の横幅):~4m
- 花色:赤、桃、オレンジ、紫、黄、白
- 開花期:3~5月
- 果実色:茶
- 果実熟期:9月
- 用途:シンボルツリー、庭木、添景樹、生垣、盆栽
背の低い目隠し用の生垣にもなる
常緑性のツツジを植えれば、目隠し用の生垣もつくれます。
ただし背が低いので、シラカシなど大きくなる生垣と一緒に植えると、より効果的な目隠しになるでしょう。植える間隔は「30~50cm」ぐらいがおすすめです。
葉の特徴は先端はとがり、両面に毛が生えています。互生で長さは3~5cm、形は楕円形~卵状楕円形。
常緑樹のツツジは、葉っぱが入れ替わる時期には葉が落ちます(一度に全部は落ちません)。
シラカシの詳細はこちらです⏬
シラカシの木は目隠しや生垣に最適🌳【株立ちはシンボルツリーにしよう!】
実の特徴
実はさく果で、長さ8〜13mmの卵形です。実の中には細かい種子が入っています。
2.【美しい花が咲く】開花時期+花が咲かないときは?
- 日本の春を代表する花木
- 花が咲かないときの対処法は?
- ツツジの蜜には毒があるの!?
日本の春を代表する花木
ツツジは日本の春を代表する木として、昔から親しまれてきました。
春の3〜5月にかけて、色とりどりの花を咲かせます。花色は豊富で「赤、桃、オレンジ、紫、黄、白」があり、一重咲き・八重咲きなど咲き方も豊富です。大きさも小輪・中輪・大輪とあります。
- 3月咲き:ミツバツツジ
- 4月咲き:クルメツツジ・レンゲツツジ・ヒラドツツジ・キリシマツツジ
- 5月咲き:ゴヨウツツジ・クロフネツツジ・サツキ
- 6月咲き:バイカツツジ・コゴメツツジ
新緑の季節には、カラフルな花と濃緑色の葉っぱとの共演もまた見どころです。花の形はロート状で、枝先に集まって咲きます。
花が咲かないときの対処法は?
剪定で注意して欲しいのは、花芽をまちがって切ってしまうことです。
ツツジは、今年伸びた頂芽が花芽になります。それが翌年の春に開花するので、花芽を見つけたらなるべく残しながら剪定してください。
また、植えたばかりのツツジだと花が咲かない場合もあるので、気長に数年様子を見ましょう。それと、基本的な育て方を実践してみてください(あとでまとめて解説)。
ツツジの蜜には毒があるの!?
ツツジの甘い蜜には、毒があるって知っていますか?
すべての種類に毒があるわけではなく、とくにレンゲツツジは要注意です。吸ってしまうと痙攣などが起きます。
私も昔、学校帰りに咲いていた「ツツジの花の蜜」を吸った経験があります。具合が悪くなった記憶はありませんが、まさか毒があるなんて誰も教えてくれませんでした...。
3.【落葉樹と常緑樹がある】落葉樹は秋に美しく紅葉する
ツツジには落葉性のものと、常緑性のものがあります。
落葉ツツジ | 常緑ツツジ | |
---|---|---|
種類 | ミツバツツジ・レンゲツツジ・ゴヨウツツジ・ムラサキヤシオ | ヤマツツジ・ミヤマキリシマ・キリシマツツジ・モチツツジ・リュウキュウツツジ・クルメツツジ・ヒカゲツツジ |
花 | ○ | ○ |
紅葉 | ○ | × |
目隠し用生垣 | × | ○ |
原産地 | 北半球全体 | 東アジア |
どちらも美しい花が咲くので、両方とも庭木におすすめです。
落葉ツツジは紅葉が楽しみたい人向けで、常緑ツツジは目隠し用の生垣をつくりたい人向けです。
もし目隠しになる低木で、しかも紅葉する木を植えたいなら「ドウダンツツジ」がおすすめ!こちらもツツジ科で、美しい花が咲きます。
ドウダンツツジの詳細はこちらです⏬
ドウダンツツジは紅葉が美しい庭木🍂【鉢植えや育て方のコツも解説します】
4.【園芸品種が豊富】見分け方がわかる一覧まとめ
日本は自生種が多いツツジ王国で、そこから作られた園芸品種も豊富です。
園芸品種が多すぎるのは逆にデメリットにもなり、どのツツジを選んでいいか迷ってしまいます。もしツツジを鉢植えで育てたい人は「西洋ツツジ」がおすすめです。
【6つのカテゴリー】見分け方がわかる一覧を紹介
すべてのツツジは、残念ながら紹介できません。
そこで6つのカテゴリーに分けて、おすすめの品種だけ紹介します。
- ヤマツツジ
- キリシマツツジ
- クルメツツジ
- ヒラドツツジ
- ミツバツツジ
- アザレア(西洋ツツジ)
それでは、順番に紹介していきます。
1.ヤマツツジ
日本全国の山地に自生するツツジで、樹勢が強く育てやすい品種です。
- 紅長寿:赤花
- 日光見染め:ピンク花
- 姫山:ピンク花
- 鴇の舞(ときのまい):ピンク花
- 夕霧:赤花
- 綾姫:オレンジ花
- 雲竜ヤマツツジ:幹がくねくね曲がる
- シロバナヤマツツジ:白花
- ヤエヤマツツジ:赤花
- エゾヤマツツジ:赤花
2.キリシマツツジ(霧島躑躅)
江戸時代に鹿児島県霧島岳に自生するヤマツツジから選抜され、品種改良されたツツジ。名花中の名花!小輪で花つきが良く、狭い庭でも楽しめます。
- 本霧島:赤花
- 日の出霧島:ピンク花
- 八重霧島:八重咲きの赤花
- 蓑霧島(みのきりしま):赤花
- 桜霧島:ピンク花
- 雲仙躑躅(うんぜんつつじ):紫花
3.クルメツツジ(久留米躑躅)
江戸時代後期に久留米地方でキリシマツツジとサタツツジなどとの交雑によって作られた品種です。小輪で花つきが良く、鮮やかな色の花をあふれるばかりに咲かせるツツジで、小さな庭で楽しむのに適しています。
- 暮れの雪:小輪二重咲きで白花
- 老の目覚め:小輪一重咲きでピンク花
- 麒麟:小輪二重咲きでピンク花
- 新常夏:複数の色が混じる絞り咲き
- 筑紫紅(ちくしべに):小輪一重咲きで赤花
- 雲の上:小輪一重咲きでピンク花
- 難波潟(なにわがた):小輪一重咲きでピンク花
- 今猩々(いましょうじょう):小輪二重咲きで赤花
- 吾妻鏡(あづまかがみ):小輪二重咲きでピンク花
- 小蝶の舞(こちょうのまい):小輪二重咲きで紫花
4.ヒラドツツジ(平戸躑躅)
ケラマツツジ・モチツツジ・キシツツジなどとの交雑種で、大型で大輪の花が咲くのが特徴。公園などの広い場所に郡植すると見栄えがします。
- 曙:覆輪咲きのピンク花
- オオムラサキ:大輪の赤花
- 白妙(しろたえ):白花
- 舞姿:大輪のピンク花
- 御代の栄(ミヨノサカエ):覆輪咲きのピンク花
5.ミツバツツジ
落葉性ツツジで、ツツジの仲間では最も早く咲き始めます。薄紫色のさわやかな花を咲かせ、落ち着いた和風の庭にはぜひ欲しい種類です(デメリットは花期が短い)。
- コバノミツバツツジ:紫花
- キヨスミミツバツツジ:紫花
- トサノミツバツツジ:紫花
- トウゴクミツバツツジ:紫花
- サイコクミツバツツジ:ピンク花
6.アザレア(西洋ツツジ)
日本のレンゲツツジなどを元にヨーロッパで品種改良されたツツジで、鉢植えでよく使われます。エクスバリーアザレアとも呼ばれます。
- ゴールデンサンセット:黄金花
- ジェニージェニングス:赤花
- ピンクパール:ピンク花
- ロマンスパール:ピンク花
- クリスタルパール:赤花
- オールドゴールド:オレンジ花
- ファイヤーボール:赤花
5.【手入れが楽な庭木】日本原産なので育てやすい
ツツジは日本の気候風土に合っているので、元気に育ってくれる庭木です。
低木なのでコンパクトに維持でき、狭い庭や花壇の小スペースにも植えられます。
樹勢の強い常緑ツツジであれば、花が終わった直後に強く剪定できます。枯れる心配は少ないので、庭木初心者でも刈り込みバサミがあればかんたんです。
まとめ
この記事では、ツツジのメリットとデメリットを紹介しました。いかがだったでしょうか?
柔らかい雰囲気で色とりどりの花色がある樹木で、大きくなる種類でも3mとコンパクトに維持できます。低木なので大きなシンボルツリーと一緒に植えても、上品な名脇役として活躍するでしょう。
ツツジは日本の春を代表する木として、昔から親しまれてきました。
その美しい花々を、ぜひ自宅の庭で楽しんください。
すぐ下の関連ページで「植えてはいけないシリーズ・植えてはいけない庭木2つ」を解説したページリンクを貼っておきます。
興味のある方はぜひご覧になってください😊
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以上、ツツジを庭に植えてはいけない理由・デメリット5選😱【メリットも5つ解説】…という話題でした。
更新:2024年04月09日|公開:2024年04月04日
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